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ラブストーリーが最も似合わない男、ジャック・ニコルソンが大人のラブストーリーを描く『恋愛小説家』の役で登場!“偏屈なダメ男”ジャック・ニコルソンと恋愛小説家という違和感あり過ぎな組み合わせ。性格は最悪なくそ野郎、そんな男が一体どんな恋愛をするのか観てみたくないですか???
また、恋愛小説家とよく似た建築家が主役の『結婚できない男』と比較して共通点を探りました。この記事を読むと臆病な男性の可愛い恋愛観がわかります!
この記事でわかる事
映画”恋愛小説家”のネタバレあらすじ
映画”恋愛小説家”の登場人物とキャスト
映画”恋愛小説家”の感想と考察
映画”恋愛小説家”と”結婚できない男”の共通点
恋愛小説家 ネタバレあらすじとキャスト
映画「恋愛小説家」のあらすじ(ネタバレ含みます)を紹介します。
ネタバレあらすじとキャスト 主人公メルビン・ユドールという男
ジャック・ニコルソン 1937年4月22日(85歳)
出演作品 「シャイニング」「郵便配達は二度ベルを鳴らす」「ア・フュー・グッドメン」他、多数
売れっ子恋愛小説家だが、悪意に満ちていて自尊心が高く、自己中心的な人間で極度の潔癖症。裏を返すと真正直な人間。行きつけのレストランでは勝手に自分の席を決めていてナイフとフォークは持参する。朝食は「卵3個の目玉焼き、ソーセージにポテトフライ、パンケーキにコーヒー、砂糖はダイエットシュガー」と決めている。
メルビン(ジャック・ニコルソン)はマンハッタンのアパートに一人で住む小説家です。年齢は50代くらい? まあまあなおじさん。なのに小説のジャンルは「恋愛」です。しかも強迫神経症もあり潔癖症。ゆえに性格はかなり偏屈で偏見の塊、そして毒舌家です。
そんなメルビンなので、隣人からは嫌われています。画家のサイモンがゲイである事、サイモンの飼い犬バーデルも気に入りません。 ロビーで粗相をしたバーデルをひっ捕まえて、あろうことかダストシュートに放り込みました。
問い詰められても悪びれる風もなくゲイのサイモンに差別的な横柄な態度をとります。サイモンの友人で美術商のフランクには、サイモンとは関わらないように!と脅されます。
メルビンには行きつけのレストランがあります。強迫神経症の症状なのか、同じ席で同じ給仕係でないとまともに食事もできません。不衛生だという理由で使い捨てのナイフとフォークも持参します。店からすると迷惑な客で、当然嫌われていました。
そんなメルビンの給仕を引き受けていたのが、シングルマザーのキャロルです。ですが、キャロルの子供が病気がちな事を知ってか知らずか、子供に関して酷い事を言ってキャロルを怒らせてしまいました。
怒ったキャロルに「あなたとな絶対に寝ない」と言われたのがショックだったメルビンは「いい人間になりたい」と思うようになり、飲みたくなかった強迫神経症の薬を飲むようになりました。
ある時、キャロルの目の下にくまがあるのを見つけ、どうしたのか?と聞くと息子の看病で眠れていない、と答えるキャロル。息子の事が心配というよりも、キャロルがレストランを休まずに自分への給仕を続けてもらえるよう、コネを使ってキャロルの息子を医者に診てもらえるように手配します。
この事はキャロルにとても感謝されましたが、自分がキャロルに対して「見返り」として何か求めているのでは?と勘繰らせてしまいます。ただ、レストランを休まないでいて欲しいだけだったのですが…。
勘違いしていたキャロルからは感謝の手紙をもらいました。それを一生懸命読んでくれるキャロルの姿を温かく見守るメルビン。お互いに好意を持ち始めますが、意思疎通がなかなかうまくいかず、怒らせてしまったり怒ったり…。
そうしながらも、キャロルとの距離が近づいていきます。
ネタバレあらすじとキャスト カフェの給仕キャロル・コネリー
ヘレン・ハント 1963年6月15日(59歳)
出演作品 「キャスト・アウェイ」「ハート・オブ・ウーマン」など
メルビンが通うレストランのウエイトレス。母親と息子の3人暮らしで、息子のスペンサーは喘息を患っている。パートナーもおらず、息子は病気がち、人生の孤独を感じている。
メルビンが通うレストランのウエイトレス。母親と息子の3人暮らしで、息子のスペンサーは喘息を患っている。パートナーもおらず、息子は病気がち、人生の孤独を感じている。
レストランで働くキャロル(ヘレン・ハント)はシングルマザー、喘息の息子スペンサーと母親との3人暮らしです。デートもするけどスペンサーの事が心配で恋愛に集中する事ができません。
レストランの常連に変った客がいて、いつも同じ席でないと気に入らないという男がいます。小説家のメルビンです。誰も給仕したがらないので、仕方なくキャロルが担当のようになってしまっています。
気難しいメルビンの皮肉や悪態を軽くいなしていましたが、ある時病弱な息子をからかう発言をされてメルビンに激怒してしまいました。給仕も義務的に接し無視し続けます。が、そんな態度に傷ついたのかメルビンが子供の事を聞いてきました。メルビンに子供の事を心配されて怒りも少しおさまったようです。
不本意ながらも関わっていくうちに、メルビンが時折見せる人間らしい優しさと、皮肉や悪態の裏に隠されたメルビンの本当の姿に気づき、好意を持ち始めます。
ネタバレあらすじとキャスト 隣人サイモン
グレッグ・キニア 1963年6月17日(59歳)
出演作品 「ユー・ガット・メール」「リトル・ミス・サンシャイン」など
メルビンの隣人でゲイの画家、ある時強盗に襲われ、瀕死の重傷を負う。住む場所も財産も失い、飼い犬バーデルからも距離を置かれてしまう。
メルビンの隣人のサイモンは画家でゲイ、プティ・ブラバンソン種のバーデルを飼っています。バーデル共々メルビンからは嫌われていて、いつもひどい扱いを受けています。
友人で美術商のフランクと共に個展を開く準備をしていました。
そんな時、街のごろつき連中の1人が絵のモデルになりアパートのサイモンの部屋に通ってくるようになりました。その男はモデルをしながらサイモンの部屋を値踏みしています。絵が完成間近になったころ、ごろつき仲間たちが部屋に押し入り強盗を働きますが気付いたサイモンが止めに入ります。
ごろつき達はサイモンを滅多打ちにして部屋を荒し逃げていきました。瀕死の重傷を負ったサイモンは騒ぎに気付いたメルビンによって助けられます。
バーデルがメルビンに預けられた事を聞いて心配するサイモンですが、それよりも自分の負った傷にショックを受けます。更に個展が開催できなくて一文無しになった事、アパートも解約せざるを得ず住む場所も失います。
そんなどん底に落とされたサイモンを救ったのは、隣人で変人のメルビン。自分のアパートの空き部屋を貸してくれたのでした。
ネタバレあらすじとキャスト サイモンの飼い犬バーデル
ブリュッセル・グリフォン、プティ・ブラバンソン種
サイモンの飼い犬。 サイモンが入院している間、メルビンに預けられる。自分と似たこだわりがある事をメルビンに気付いてもらえて親近感を持つ。
この物語においては犬のバーデルがなくてはならない存在になっています。自己中心的な主人公のメルビンを人間らしく変えたのはバーデル、と言っても過言ではない・・・かも!?
バーデル(犬種プティ・ブラバンソン)はゲイで画家のサイモンの飼い犬です。お隣の犬嫌いのメルビンにロビーで捕まってっしまって、怖くてついおしっこしちゃったらメルビンにダストシュートに放り込まれました。
ある時サイモンが強盗に遭って大怪我を負い入院しなくてならなくなりました。サイモンのパートナー・フランクの頼みで、バーデルはメルビンの所に預けられることになりました。犬なんか部屋に入れた事がないんだぞ、と困るメルビンですが、ちゃんと餌の心配もし、ピアノまで弾いて聞かせてくれるのでした。
レストランに行った時は、メルビンはバーデルの為にわざわざベーコンを残してくれます。
散歩の時は歩道の舗装の切れ目が怖くて、またいで歩いている事にメルビンに気付かれて、自分と同じだ!と激しくメルビンに喜ばれます。でも抱きあげる時は手袋をしてから。
メルビンとバーデル、すっかり仲良しになりました。
ですが、サイモンが退院したのでバーデルはサイモンのもとに戻されることになりました。サイモンの元に帰れたのは嬉しいけど、ベーコンがもらえなくなって残念。それにメルビンの事も好きになっていました。
結果としてはメルビンの部屋にサイモンが引っ越すことになって、好きな二人といつも一緒に居られるようになったのでごきげんなバーデル。
恋愛小説家の考察と感想
メルビンはあんないかつい顔をして可愛い恋愛をするんだなぁ、とまるで息子(いないけど、いたらこんな気持ちになる?)の恋愛を応援するような気持で観ていました。
脅迫神経症で潔癖症、なんでも正直に言ってしまうメルビンは小説の中では女性の気持ちがわかるのに、現実の世界では女性に誉め言葉すらいえない純粋な男。つまり超絶不器用な男なのです。
思いやりのかけらもない歯に衣着せぬ言い方しかできず、関わる人達をことごとく怒らせてしまいます。 嘘がつけず、見たままをズバッと言ってしまう。なぜか? それは逆から見ると真正直な人間だから。
「ありがとう」一つ取ってみても、ただそう言えばいいだけなのに、「ありがとう」の気持ちになるまでに至った経緯から話し始めるので、相手は本題に到達するまで待てないし、経緯の時点で怒りを感じてしまって、途中で喧嘩勃発。
でも辛抱つよく接していると、本当の姿が見えてきます。 思いやりも愛情も深い人間で、ただ表現が屈折しているだけ。伝え方が下手なんです。 そんな人、あなたの周りにいませんか?
相手のキャロルはいたって普通の女性。相手の真意を読み取れるだけの深い考察力は持っていないみたい。だから、メルビンの「表現の仕方」になれるまでに時間がかかりました。メルビンにしてみれば、自分の言った当たり前の事になぜキャロルが怒っているのか、まじでわからないんですもの。
一方は人づきあい苦手で不器用な男、一方は極々普通のシングルマザー、この二人の心が少しづつお互いを理解しながら近づいていく様子が手に取るようにわかります。人の恋愛をはたから見ていることほど楽しい事はありませんね。「ほんとはそうじゃないのよ、キャロル」とか「いや、そこはこう言うべきだよ、メルビン」などとアドバイスしてあげたくなります。
キャロルに「あなたとは絶対に寝ない」と言われた日から、神経症の薬を飲み始めます。その理由は「いい人間になりたくなった」からだという、そんな言葉を言われた日には落ちない女性はおりません。キャロルは思わずメルビンにキスしてしまいます。手袋なしでは外出もできないような潔癖症の人間にです。
キスされたことに驚いて動揺したメルビンは、またまた思いやりのない言葉を言ってしまいます。弱い部分を見せる事ができて、キャロルの事を必要と思うようになった矢先だったのにキャロルを怒らせてしまったのです。
もちろん、ラストはサイモンの後押しなんかもあったおかげでハッピーエンドな訳ですが、この一言がたまりません。
「この世で僕だけが、君が世界一の女性だと知っている。テーブルに料理を運んでいる女性が世界一の女性だということを、自分だけが知っている。それが誇らしい。迷惑かい?」
このセリフはさすが恋愛小説家!女心をわかっていますね。この言葉は病弱な息子の看病、パートナーがいない孤独に自分の存在意義を見出せずにいたキャロルにとって大きな意味があります。自分の全てを受け入れてくれたと感じられる言葉。
執筆中に「愛とは……?」と悩んでいたメルビンは本当は誰よりも愛についての深い考察があって、女性の気持ちを理解していたとも言えます。
夜明けのデートが可愛かったですね。朝一にパンを買いに行くってロマンチックじゃない???
恋愛小説家と”結婚できない男”との共通点
ドラマ「結婚できない男」2006年 または韓国イメイク版「結婚できない男」2009年を観た時に思いだしたのは、「恋愛小説家」のジャック・ニコルソン演じるメルビンという男。よく似た男たちが主役の映画とドラマです。
まず、映画”恋愛小説家”とドラマ”結婚できない男”の類似点・相違点について深堀してみました。
”結婚できない男”との共通点
まず、類似点から見ていきましょう。
「恋愛小説家」のメルビンは脅迫神経症で潔癖症、外出するときは手袋が必要ですし、通いなれたカフェで同じ給仕から給仕されないとまともに食事もできません。「結婚できない男」の阿部寛演じる建築家・桑野信介、韓国版ではチ・ジニが同じく建築家チョ・ジェヒという設定でした。彼らもメルビンと同じで偏屈で独善的、皮肉屋で潔癖症。
全く同じ設定なのは、隣人から犬を預かること。
潔癖症なので犬の世話などとんでもないのですが、ここでわかったのは主人公メルビン達の犬に対する態度は初めの頃は一方通行、これは人間に対しても同じ態度です。一方通行でキャッチボールができていません。
犬の気持ちも人の気持ちも理解しようとせず、自分の都合のいい時だけ、オンライン、その他の時はオフラインって感じ。でもそのうちに懐かれてしまって次第に心を開きます、犬に…。それから人間にも徐々に心を開いていきます。
また、職業は違いますがどちらも仕事ができて裕福、「恋愛小説家」は人気の小説家で「結婚できない男」は建築家です。
馬鹿正直に思った通りを口に出すので、周りの人間からは引かれるが、それがなぜなのかわからない。自己中心的、かつ思考や表現が屈折していて、更に不器用なものだから運悪く関わってっしまったらカオスの渦に巻き込まれます。
”結婚できない男”との違い
違う点は、「恋愛小説家」では、相手のキャロルがシングルマザーで子供は病気がち、その事がストーリーに深みを増していますね。また、隣人でゲイのサイモンが飼い犬バーデル共々かなり深く関わっていて、「友情」というテーマも描かれています。
「結婚できない男」では友情については特に取り上げられてはいません。建築事務所の助手がいますが、友情と言えるほどの関係性は描かれていません。
「結婚できない男」はこの「恋愛小説家」の構成だけうまく戴いてきて(リスペクトですね)もっと軽い万人向けするドラマに焼き直した、と言う感じでしょうか。阿部寛やチ・ジニの潔癖症でうんちく野郎ぶりがなかなかイケていて「深み」はないにしろ、おもしろく観れてよかったです。
「脅迫神経症で潔癖症」と言ったら、もう一人思い当たる人物がいます。それはドラマ「名探偵モンク」のエイドリアン・モンク。 潔癖症が過ぎるモンクは「除菌」が命、握手すらできません。でも結婚はしていて奥さんがいたのですが、どうやって結婚生活を維持していたのでしょうね?
「恋愛小説家」ではメルビンとキャロルのキスシーンがありましたが、せっかくロマンティックな雰囲気になったのにメルビンはキスされたことに動揺し例によっておかしなことを口走りキャロルを怒らせてしまいます。
「結婚できない男」では性的な雰囲気もなくポップなドラマと言えます。
恋愛小説家ネタバレあらすじと感想 キャスト一覧”結婚できない男”との共通点のまとめ
大人の不器用な恋愛事情を描いた「恋愛小説家」文句なしに面白い映画です。
アクションもの、アドベンチャー、サスペンスやホラーなどに疲れたときにおススメのホッとできて面白い映画。
メルビンとキャロル、それぞれが抱えた背景ゆえにあまりにも不器用な二人の恋のゆくえは、傍から見ていてアドバイスしたくなるようなじれったさがくせになります。コメディの要素もあって、また犬のバーデルの可愛いしぐさも効果的でした。
この作品でジャック・ニコルソンとヘレン・ハントが、共にアカデミー主演男優賞と主演女優賞を受賞しました。
[作品概要]
原題 As Good as It Gets 「恋愛小説家」
公開 1997年
監督 ジェームズ・L・ブルックス
脚本 マーク・アンドラス
主演 ジャック・ニコルソン
音楽 ハンス・ジマー
〈Pinoko編集局〉
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