三体netflix版が最悪だった理由 考察と感想・評価と続編について

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3月21日全世界配信が始まったNetflix版ドラマ「三体」は、何かと原作との比較に注目が集まってしまうのは仕方のないことです。原作ファンからしたら「最悪だ」という感想が見られますが、どう最悪なのかについて調べてみました。

最悪と言われる理由を深堀していくと、その裏にはnetflixが描きたかった「三体」がこういうものなのかと思われる真意が見えてきます。それは「文化大革命」を描くために作られた作品、この記事ではそう考えられる理由ついての考察をまとめています。

三体netflix版が最悪だった理由 考察

三体あらすじ――――
物理学者の父を文化大革命で惨殺された天才天文学者は人類に絶望し、三体星人とコンタクトをとって地球侵略の手助けをします。三体星人は侵略に当って地球人を御しやすくするために肉眼では見えない陽子をスーパーコンピューター”智子(ソフォン)”に改造して地球に送りこみます。

リアルタイムで地球を監視し科学の発展を封じる、という計画を立て地球の科学的な発展を遅らせ御しやすくするために優秀な科学者たちを始末していきます。天才科学者たちは地球防衛軍と手を組んで人類存亡の危機に立ち向かうSPファンタジー。

最悪だった理由は中国テンセント版と違い過ぎる展開 

もし、原作も中国テンセント版のドラマも知らない人が見たのであれば「ああ、こう言うものなのか」で済むのかもしれません。にしても、ストーリー全体の流れやつながりを理解することはできなかったのでは?「ん?今のはどういうこと?」と、疑問を持たれる部分もあったでしょう。

最悪だったと思った最大の理由は、描かれ方が雑だった点です。

そもそも、原作に近いテンセント版では全30話もあるストーリーです。内容はとても複雑でストーリー自体も登場人物の人間関係ももっと深く描かれているのに対して、netflix版では簡略化され過ぎていました。

ティザー動画ではとても興味深く期待させる描かれ方がされていただけに、その内容の薄さに驚きました。

また、netflix独自の解釈や脚色が特徴でしたが原作ファンにとっては違和感を感じる部分も多くあったのではないでしょうか。

原作は中国を舞台に展開していきましたが、netflix版の現代を描いた部分ではイギリスが舞台になっており人種も性別も様々でいわゆる「ポリコレに配慮」したのかもしれませんが、イメージが変わり過ぎていました。

最悪だった理由はゲームオブスローンズの製作陣にしてはお粗末

netflix版三体はドラマ「ゲームオブスローンズ」の製作に当たったデヴィッド・ベニオフとD.B.ワイスら製作陣が関わっているだけあって、大きな期待を抱きました。

出演者にはゲームオブスローンズに登場した玉葱の騎士役だったリアム・カニンガム、ジョン・スノウの親友サム役だったジョン・ブラッドリー、雀聖下(ハイスパロー)役のジョナサン・プライス、ヴァリス役のコンリース・ヒル、ブレーヴォスのティコ・ネストリスを演じたマーク・ゲイティスといった面々が登場します。

ゲームオブスローンズを知っている人にとってはそれはそれで注目ポイントですし、あの役の俳優さんが出ている!!!と興味深く見る事ができるでしょう。

しかし、ゲームオブスローンズの製作陣が手掛けたからゲームオブスローンズに出演していたキャストをあてる、というのは安易なキャスティングなのでは?原作ファンにとってはそれは関係なくて、見どころではありませんでした。

ティザー動画を見て大きく期待をしたのは、冒頭の中国文化大革命の父親が惨殺される惨いシーンが冒頭からあったからです。

惨殺シーンが見たいわけではなく「三体」の物語の発端になった出来事が描かれているからなのですが、テンセント版で実写化が始まったとき、中国は習近平政権になっており文化大革命の批判的表現はほぼタブーな時代でした。

文化大革命の残酷なシーンがある第11話ではそのシーンが削られて通常の45分の尺が33分と縮められていました。

最悪だった理由はいかにもハリウッド版的な演出

どうしても気になってしまうのが「オックスフォード・ファイブ」という、ジョン・ブラッドリーら5人の仲間のいかにもアメリカ的な通称です。オックスフォード大学での仲間、ということなのですがその設定必要ですか?といいたい。

そして、本当に誰一人として『科学者』に見えなかったことです。エイザ・ゴンザレスがナノマテリアルを開発した科学者に見えましたか?

また、映像においてもアメリカ的なアレンジがなされていて逆に驚きました。例えばエイザ・ゴンザレスの目に映るようになったカウントダウンの数字ですが、あんなにポップな感じでよかったのか?あまりにも可愛いフォントだったので、ちょっと笑ってしまいました。

また、宇宙が明滅するシーンでも、クリスマスのイルミネーションが点滅しているみたいで綺麗!と思いました。宇宙が明滅するなどという現象は科学者にとってはあってはならないことだからもっと不可解で不気味な映像であるべきでした。

先にも述べましたが、冒頭の中国文化大革命の父親が惨殺される惨いシーンは期待を抱かせるものがありました。冒頭の5分間を使って描かれた「清華大学100日大武闘」の再現シーンは大迫力でした。

しかし、終盤ナノマテリアルを使って運河を渡る巨大客船をスライスするシーンはゲームオブスローンズ的なえぐい演出過ぎました。

このシーンに力を注いだことはよくわかりましたが、物語において十分に育っていない登場人物らがあのシーンに関わっている事に全体のバランスが取れていない様に見えました。

長編作品を8話で描いているのだから仕方のない事でしょうが、メインイベントだけを切り取ってつなげたという印象がぬぐえませんでした。

三体netflix版が最悪だった理由 最悪じゃなかった点

原作の三体はマジで難解

実はわたくし、テンセント版のあらすじと感想の記事を書いています。書いていますが、全30話ある内の初めの10話だけ書いて挫折しました。その理由は、とにかく複雑すぎて深すぎてまとめきれなかったからです。

そんなバケモノのような作品をスパッと8話でまとめてしまったnetflixのいわゆる「ダイジェスト版三体」は傑作と言われる原作やテンセント版ドラマをコンプリートする価値は分かっていても、しり込みしてスタートすらできていない人や途中で挫折してしまった人にとっては、かなりハードが下げられていて取り組みやすくなっている、という点においては評価すべきです。

文化大革命を描くリスク

原作の本筋は「ある地球人類に絶望した科学者が三体宇宙とコンタクトをとって、地球侵略の手助けをする」というもので文化大革命はそのストーリーにおけるソースの1つです。

しかし、netflixはテンセント版ではタブーとされた「文化大革命」における「清華大学100日大武闘」の再現シーンをいきなり冒頭で突き出してきました。

テンセント版との違いを出すためには「文化大革命」をリアルに描くしかなかったのか?8話という短い尺の中で5分近く使って再現シーンに使ったことが、そこに力を入れていたことがわかります。

そのために、その他のキャストをアフリカ系、南米系、アジア系の移民系俳優を多く起用し、舞台を中国ではなくイギリスにしてあえて中国色を排除したとも考えられます。

そう言った観点で見ると、中国ではかなりヤバいセンシティブな作品である「三体」を洋画化して見せてくれた訳です。

一方で「清華大学100日大武闘」のシーンを世界に見せたいがために三体を実写化した、という声がある事も事実です。

そうであればテンセント版の始まりが文革シーンからではなく、現代の科学者が相次いで死亡する、というシーンから始まったのに対して、netflix版は冒頭から文革シーンが描かれている理由がそこにあるのではと考えられます。

netflix版が配信される前に書いた記事ですが、netflix版とwowowテンセント版を比較していますので併せてお読みください。

VRゲームの世界に入るシーンは必見

おお!と驚いたことが一つあります。それは三体世界を理解させるために送られてきたVRゲームの超未来的なヘッドディスプレー(?)です。

これをかぶるだけで、ログインなしでいきなりゲームの世界に入る事ができます。これはかなり新しい演出です。テンセント版ではごっつい装置に身体ごと装着しなければいけませんでした。

これを装着するだけで中国の殷王朝にひとっ飛び!ゲーム内での映像もAI画像ではなくリアルな人物が使われていましたし風景も美しく描かれて、違和感なくゲームの世界を楽しめました。

三体netflix版が最悪だった理由 感想

まず、大きな期待を持ってみたnetflixの三体はいかにもアメリカ的な演出が多く「ライト三体」というイメージです(意味不明だったらスミマセン)ゲームオブスローンズの製作陣が手掛けるとこうなるだろう、的な予想そのままでした。

文化大革命のシーンもナノマテリアルで巨大な船をスライスしていくシーンもそこだけ見るとすごかった!!!すごエグかった!!!VRゲームデバイスも近未来的でおお~!と思いましたし、ゲームの世界も素晴らしかった。映像としては期待以上でしたが、あくまでも映像としてだけです。

キャストに関しては「オックスフォード・ファイブ」がいかにもアメリカチックで草と思いました。「タチアナ」の存在があいまいでした。科学者たちを次々と殺していくのがタチアナですが、どうやって?タチアナは人間なのか?テンセント版に登場する複数のキャラクターを合わせて作った作られた独自のキャラクターと思われますが、人間?だけど監視カメラには写らない存在で、モヤモヤしました。

ストーリー的にはこれを言っても仕方ないことですが、8話では語り切れないですよね。

最終話では新しい設定として科学者の「脳」を積んだロケットを三体世界に向かわせる、というシーンがありますが、結局失敗に終わります。茶番のような描き方でちょっと失笑してしまいました。まあ、失敗するよね、と。

あれは一体なんだったのだろう???と疑問だけが残りましたが、終わらせ方としてはああするしかなかったのかなとも思えました。

三体netflix版が最悪だった理由 評価は?

知る人ぞ知るアメリカの映画評価サイト『Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)でのトマトメーターは79トマトと新鮮であると評価されています。アメリカの評価サイトなのでまあまあな評価を得られたのかも?

また、今はやりの海外TVドラマや映画の情報はもちろん、過去に放映された膨大な作品の評価点や出演者の情報を見ることができる総合サイトIMDbでの評価は7.7点。

7.7点がどれくらいかわかり辛いですが、例えばTVドラマ「Band of Brothers」(ランキング3位の第2次世界大戦ノルマンディの戦いを題材とした作品)は評価9.5点です。

なので、7.7点は悪くはないけど、こちらもまあまあ。と言ったところでしょうか。

三体netflix版が最悪だった理由 シーズン2はあるのか?

原作の三体は3部作からなり、今回は「地球往事」三部作の第一作が描かれました。第二作の「暗黒森林」第三作の「死神永生」と物語は続きますが、netflixは続編を作る用意をしているのでしょうか?

映画やドラマにおいて続編が作られる為には、視聴率や興行収入が得られることが必須条件となります。視聴率が稼げないドラマの続編が作られることはありません。netflixにおいても、明らかに続編がある終わり方をしているの制作されないドラマは数多くあります。

ロッテントマトの79%、IMDbでの7.7点は決して高評価とは言い切れません。現時点での評価を見た限りでは続編が制作される可能性は低いと言えます。

一方でテンセント版ではすでに続編の制作も決定しているということで、いつ配信されるかはまだ発表がありませんが楽しみです。

第二部以降は第一部に比べてドラマ化が更に難しいと言われています。ストーリー的には原作に忠実だと予想できますが、CGを含め映像的にどこまで表現できるか期待が膨らみますね。

配信される時が来たら気持ちを整えて挑みたいと思います。

この機会にSF界で最も権威のある文学賞のヒューゴー賞をアジア圏で初受賞するなどの世界的ベストセラー「三体三部作」を一気読みしよう!

三体netflix版が最悪だった理由 考察と感想のまとめ

三体netflix版が配信される前には、原作があり、原作に基づいた中国が舞台で中国人キャストによるテンセント社が作った30話からなる三体があります。

後から出るものは、必然的に比較されるのは仕方のない事です。原作ファン、テンセントドラマファンにとっては「netflixが三体をどう料理したのか?」この1点だけが注目点。なんなら、我々の三体をどう見せてくれるのか?という勢い、つまり三体ガチ勢ですね(笑)

三体を初めて見て気になった、という人にとってこのダイジェスト版のようなnetflix版三体が、原作を知りたい、テンセント版三体を見てみたいと思われるようなきっかけになったらいいですね。原作は言うまでもなく、もっともっと素晴らしいものです。

テンセント版三体はWOWOWで視聴できます。

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