カラーパープル結末と考察/ネタバレあらすじと感想

カラーパープル結末と考察映画

1985年にスティーブン・スピルバーグ監督によって映画化され世界を驚かせた“不朽の名作” 第58回アカデミー賞10部門で11ノミネートでされたカラーパープルが、 ミュージカル映画としてスクリーンに蘇ります!

ミュージカル映画『カラーパープル』2024年2月9日(金)のリリースに先立って1985年公開のオリジナル版映画を振り返ってみましょう。ウーピー・ゴールドバーグの映画デビュー作『カラーパープル』まだ見たことがない、という方にお勧めの記事です。

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カラーパープル結末の考察

考察/原作はアフリカ系アメリカ人”アリス・ウォーカー”

「カラーパープル」の原作はアフリカ系アメリカ人の作家でフェミニズム活動家のアリス・ウォーカー。1982年の小説でピューリッツァー賞を受賞しました。

「カラーパープル」は人種差別主義の白人文化ばかりでなく、家長主義の黒人文化に対しても自分の流儀を貫いて闘う黒人女性の物語が描かれていて、その内容があまりにも身近な出来事として多くの読者の神経に突き刺ささりました。

読者の1人、スピルバーグ監督もこの作品に心を奪われました。これまで『E.T.』や『ジュラシック・パーク』『ジョーズ』など、エンターテイメント性の高いワクワクして楽しめる作品を手掛けてきたスピルバーグ監督でしたが、カラーパープルを読んで映画化をさせてほしいと、自らを売り込みました。

映画化の話には乗っていたアリス・ウォーカーは、音楽をクインシー・ジョーンズにオファー。その理由は、本作ではブラックミュージックが重要な要素となっているためです。

アリス・ウォーカーは白人であるスピルバーグに監督を任せることに難色を示していましたが、クインシー・ジョーンズにスピルバーグを推されたことで、任せることに承諾しました。

考察/アカデミー賞で無冠に終わった理由

第58回アカデミー賞で、作品賞を含む10部門で候補(助演女優賞で2人あがったので11候補)にあがった。しかし、無冠に終わっている。

スピルバーグの監督賞候補入りにも至らなかった。一説には、娯楽映画を一貫して作り続けていたスピルバーグが賞狙いに走ったことに対する会員の拒否反応や、「黒人の心を理解していない黒人映画」という反感があったのでは…と言われている。

しかし、映画の完成度は前述のアカデミー賞候補にあがったことからも見られるように、非常に高い。

スピルバーグ監督が初めてシリアスな作品に挑戦したと言われている「カラーパープル」ですが、10部門と驚く数のノミネートされたにもかかわらず、何一つとして賞を取れませんでした。なぜ取れなかったのか?その理由を深堀してみます。

✅約9000人もの映画業界人が選ぶアカデミー賞ですが、彼らにはスピルバーグ監督が賞狙いで作った作品、として拒否されたと言われています
✅興行収入に対する嫉妬

✅黒人の心を理解していない黒人映画

✅保守派が極度に嫌う黒人映画である

✅このテーマを扱うには時代が早すぎた

などが挙げられます。

一番最後に「このテーマを扱うには時代が早すぎた」と書きました。

ポリコレに配慮した作品作りがうたわれる時代になって、白人の個展や文学作品を黒人や有色人をキャストに据えて作る映像作品が増えてきている今だからこそ、「カラーパープル」のようなド直球で真実を浮き彫りにした作品は貴重であるし、映画ファンにとっては本当に見たい作品だと思いますが、当時としては受け入れ難いものだったのでしょう。

ポリコレとは、「ポリティカル・コレクトネス(political Correctness)」の略称。頭文字をから「PC」と呼ばれることもあります。直訳すると「政治的正しさ」という意味を持ち、特定のグループに対して差別的な意味や誤解を含まぬよう、政治的・社会的に公正で中立的な表現をすることを指します。

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結末の考察 女たちの静かな逆襲

この重くて厳しい悲惨なテーマをどう終わらせるのか?どう終わらせるつもりなのか?どんでん返しがあるのか?いや、それでは狙いすぎているだろう。着地点を予想するのが難しい分、とても興味深く見進めていきました。

男に暴力で締め付けられ、生きていくには従うしかない人生を送っていたセリーの前にソフィアという強い女性が現れます。男社会と戦ってきた女性です。マインドコントロールされていたセリーにはソフィアの生き方は受け入れられませんでした。

「この世にはつらいけど天国があるのよ」

周囲のケンカを野次馬的に見たり、むかつく義父にこっそり悪戯したりどんな現実でも受け入れて、楽しみを見つける。自分なりの天国にしがみついて生きてきたセリー。

そんな生き方を選んできたセリーのたった一つの心の支えになっていたのが、妹のネティからの手紙です。何年も何年も来ない手紙を待ち続けていたセリー。手紙は来ていないと思っていましたが、実はミスターが隠していたのです。

そのことがバレてから状況は一変します。これまで抑圧され続けてきたセリーがついに自分を解放するのです。縛り付けられていた家を出て自分の道を歩み始めます。

「私は貧しく、黒くて、その上醜い。でも神様 私は生きている」

家を出ていく時のセリーの言葉です。

また、黒人社会を強い態度で渡ってきたをソフィアでしたが、白人から謂れのない暴力を受け反撃したことで8年もの間投獄されてしまいます。黒人社会の中でも男よりも蔑まれる女たち、しかし白人社会においては「黒人」というだけで差別される時代。

ソフィアもまた廃人のようになっていました。あの強かったソフィアは見る影もありませんでした。しかし、セリーに救われます。歌手のシャグもまた同じです。蔑まれて生きてきたシャグもセリーに救われました。

白人社会、黒人文化の中で押さえつけられてきた黒人女性たちは、静かにかつ密かに、かつ、強く結びつきを育ててきました。心の奥底で支え合い思い合っていたのです。

そんな女性たちの静かな闘志が青い炎のように燃えていました。感情の大きな揺れはありませんでしたが、心に沁みて重苦しい嫌な感情が浄化されました。

スピルバーグ映画の特徴はスペクタクルなものが多いですが、よくぞここまで抑えたなという印象でした。

カラーパープル結末/ネタバレあらすじと感想

ネタバレあらすじ プロローグ

舞台は1900年代のアメリカ南部テネシー州の町。14歳の少女セリーは父親との夜の営みを拒む母親の代わりに、父親からの性暴力を受け子どもを2度妊娠出産しました。

冒頭からかなり惨い展開になっているのですが、セリーの淡々としたモノローグが

背筋を虫が這いまわるようなおぞましさを感じさせました。

その時生まれた男の子はアダムと名付けましたが父親はどこかにやってしまいます。2回目の出産で生まれた女の子オリビアも父親は牧師夫妻に売ってしまいました。

セリーの母親はセリーを父親から守ることもできず、不幸を罵りながら死んでいきました。

母親が死んだあと、父親がセリーを遠ざけ妹のネティに目を付け始めた事を知り、セリーは若い後妻が来ることを望みました。

望みが叶って父親はセリーと同い年くらいの若い娘と再婚し、ネティは父の手から逃れる事ができましたが、父の他にもネティを狙う男がいました。

妻に浮気をされて、挙句浮気相手に妻を殺されてしまった”ミスター”です。ミスターには幼い子供が3人いて、世話する女を必要としていました。

ミスターはネティを嫁に欲しいと父に申し出ますが、父は幼いネティの代わりにセリーを嫁がせました。

自分はネティに手を出そうとしていたくせに、他の男にやるのは嫌だったのでしょうね。

しかもセリーは2度出産してはもう子供ができる心配はないから心配なく好きに楽しめる、などと言って無理やり押し付けました。

この時代の黒人社会では家長文化が根強く、女は労働と性の道具として扱われ物のように取引されていたのですね。

ジョンソン家に嫁いだセリーは子ども達からは虐められ、夜はミスターの相手をさせられました。ジョンソン家は豚小屋のように散らかっており酷い有様でしたが、セリーは人間が住む家らしく家じゅうを磨きあげました。

ミスターは子ども達にもセリーにも暴君のようにふるい、セリーが何か意見しようものなら逆上して殴りつけました。

ネタバレあらすじ 1909年 春

街に買い物に出たセリーは父との間に生まれた娘のオリビアを見かけました。自分と父にそっくりだったのでその子がオリビアだとすぐにわかりました。

裕福な牧師夫妻の養子に出されたオリビアは愛情を受け育てられている様子に安堵しつつも寂しさを感じたのでした。牧師夫人が買い物をしている間、セリーは夫人に頼んでオリビアを抱かせてもらいました。

違う名前を付けられていましたが、「オリビア」と呼んでいると聞いたセリーの
嬉しそうな顔が印象的でした。

そんな中、妹のネティが突然やってきました。若い後妻だけでは物足りなくなった父親がしつこく手を出してくるようになったので逃げてきたというのです。

ネティを家においてほしいとミスターに頼むと、もともとネティを嫁にしたいと思っていたミスターは喜んで受け入れました。

しかし、ネティに対するミスターの執拗な好意をみてネティに早く遠くへ行った方がいいと言います。離れ離れになりたくない2人ですが、このままここにいてはミスターの餌食になるだけ。

ネティはジョンソン家を去る前に、学校にすら行かせてもらえなかったセリーに読み書きを教えました。離れても手紙のやり取りを出来るようにする為です。

ミスターのネティに対する執着はますますエスカレートしていき、ある日学校へと向かうネティを追って草むらに連れ込み襲いました。寸でのところで逃げ帰ったネティですが、拒まれて怒り狂ったミスターはネティを家から追い出してしまいます。

荷物も奪われて身一つで追い出されたネティ、いったいどこへ向かったのでしょう?去り際に「死ぬまで手紙を書くから!」と何度もセリーに伝えながら遠ざかっていきました。

心の支えを奪われたセリーはミスターを恨むもネティからの手紙を待ちながら苦境を耐え忍びました。

セリーに髭をそらせるシーン「切ったら殺すぞ」と満足そうに言うミスター。

ネタバレあらすじ 1916年 夏

ミスターは元恋人でスターになったシャグ・エブリーに会いに行きます。20代になったセリーはミスターの扱いにも慣れて精神的にも強くなっていました。

ここから、キャストが変わってセリー役がウーピー・ゴールドバーグに代わります。
ウーピー・ゴールドバーグはこの作品で映画デビュー!記念すべき作品になりました。

ちなみに夫はダニー・グルーバーにチェンジ。好きな俳優さんなのにモラハラ夫役なんてショックです。

ネティが家を追い出されるとき「死ぬまで手紙を書く!」と言い残しましたが、7年経ってもネティからの手紙は届きませんでした。

ミスターの実子で長男のハーポにソフィアという恋人ができました。しかも妊娠しています。ミスターに結婚の許しをもらいに行きますが、女のくせにハーポを言いなりに扱うソフィアの態度が気に入らないミスター。

しかし、ソフィアに押し切られてハーポは結婚せざるを得なくなりました。女系家族のソフィアは非常に肝が据わっていて、ハーポを顎で使い従わせいました。

気が強すぎるソフィアに苦労するハーポにミスターは暴力でいうことを聞かせろ、と助言します。驚いたことにセリーも同じアドバイスをしたのです。そしてハーポはソフィアに手を上げました。

ソフィアは男に殴られてきたセリーがミスターと同じ助言をしたことに激怒します。

ハーポを愛しているけど今度殴り掛かってきたらハーポを殺す、ハーポを殺させたくなかったら余計な忠告はするなとセリーに食って掛かりました。

これに対して「この世にはつらいけど天国があるのよ」というセリー。

これってDVを受け続けてきた人が言いそうなセリフですね。夫に管理され暴力で押さえつけられ支配されてきた妻がそんな世界の中でも「天国」を見出す。。。セリーにとっての天国って何でしょう?ほんの少し、ほんのわずか、ミスターからかけてもらえる優しい言葉?

ソフィアとハーポは殴り殴られを繰り返しつつも次々と子どもを作りました。しかし、ついにソフィアは我慢の限界に達し子ども達を連れて家を出ていきました。

ネタバレあらすじ シャグ・エブリーとの出会い

セリーはネティからの手紙を毎日毎日待ち続けていましたが、郵便物が来るたびに先にミスターが確認しセリーには手も触れさせませんでした。

そんなある嵐の日、ミスターは一人の女性を馬車に乗せ家に連れ帰ってきました。その女性はミスターの元恋人シャグ・エブリー。

泥酔したシャグはセリーを見るなり「あんた、醜いわ!」と大口を開けて笑い転げました。シャグはそのままジョンソン家に滞在する様子。

ミスターを「アルバート」と呼び食事を作れと命令します。セリーや家族に対しては高圧的な態度のミスターですがシャグの前ではまるで逆、シャグのためにキッチンに立ちます。

しかし、やりつけていないミスターは何もできません、結局は見かねたセリーが食事を用意しました。セリーの料理が気に入ったシャグはセリーに身の回りの世話をさせました。

息子が酒場のあばずれ女を連れ込んでいると知ったミスターの父親が訪ねてきました。まだあの女に入れこんでいるのか、と非難します。

義父がシャグの悪口を言って馬鹿にするのが許せなかったセリーは、義父に出す飲み物に唾を吐き入れ仕返しをしました。

初対面で「あんた、醜いわ!」といきなり言われたのはミスターがシャグにセリーのことをそう言って聞かせていたからですね。しかし、シャグの世話をするようになって、彼女のことを好きになったセリーはシャグをかばいたい気持ちが芽生えていたのでしょう。


それにしてもジョンソン家は金持ちなんですね、家も立派になっていますし、父親もパリッとした身なりをしています。


白人による人種差別をバリバリに受けていた時代ですが、黒人は黒人文化での家長主義が色濃く描き出されています。セリーに対して威圧的な態度のミスターですが父親の前ではまるで借りてきた猫のようにおとなしく父親の苦言を聞いていました。

義父がコップの水を飲むのを今か今かとドキドキしながら見守っていたセリー、帰り際にやっと水を飲みほした義父を見てにやりと口の端で笑いました。

ハーポの元嫁ソフィアに言った「この世の天国」がこんな小さなことなのでしょうね。

抑圧されてきた暮らしの中でも自分なりの主張をする、

ほんの小さなことでもセリーにとっては十分な幸せに感じられるのでしょう。

ネタバレあらすじ 1922年 夏

ソフィアに去られたハーポは友達と一緒に家を改装し酒場作りに夢中。禁酒法を逃れてこっそり開業するつもりのようです。

セリーの世話の甲斐があって体調が回復したシャグがステージに立ちました。セリーは初めてみたステージ、歌い踊り笑顔を振りまくシャグに魅了され羨望のまなざしを向けていました。

シャグが次に歌ったのは「セリーのブルース」ずっと付き添って看病してくれたセリーに対するリスペクトの曲でした。

酒場の女性客たちから「アルバート(ミスター)のメイド」と馬鹿にされて委縮し疎外感を抱いていたセリー。客たちに注目されてバツが悪いミスターとは違い、セリーは喜びに満たされます。

あたしもあんたも並の女じゃないのよ
つらくて悲しい闘いの日々
あたしも同じ思いを味わったわ
でも信じてちょうだい

どんな暮らしにも耐えていける

だから誇りを忘れないで

竜巻が来てもあんたは倒れない

盛り上がっている酒場にソフィアと恋人が客としてやってきました。そこでハーポの恋人が登場、ソフィアとハーポが仲良さそうにしているのを見てブチ切れます。そして客同士の大乱闘に!

シャグとセリーは一足先に家に戻っていました。シャグは着ていた衣装をセリーに着せてセリーの笑顔を導き出します。おお声で笑うセリーを見て「素敵な笑顔よ、そろそろこの家を出る時期だわ」

そう言われてもセリーは「また殴られるだけ」と怯えます。「誰からも愛されたことがない」というセリーに「あなたは美しいわ」と称えキスをするシャグ。唇にキスをされて初めて愛される感覚を知ったセリーでした。

シャグがメンフィスに旅立つとき、セリーはついて行こうと決心し荷物をまとめますが、ミスターに見つかってしまい阻止され願いは絶たれてしまいました。

その頃街ではソフィアが市長夫人ともめ事を起こし、逮捕され投獄されてしまいます。黒人好きの市長夫人がソフィアの子どもに何度もちょっかいを出すので見かねたソフィアが殴ってしまったのです。

ここで初めて白人が登場します。先に手を挙げたのは白人の方でしたが周りを白人たちに囲まれ、挙句に白人の保安官に殴り倒されました。

ここで初めて、二つの社会の接点が描かれていますが、いかに混ざり合わなかったのかが浮き彫りになってきました。

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ネタバレあらすじ 1930年 秋

投獄され8年間の刑期を終えたソフィアは出所しますが、勝気だった風貌は見る影もなく髪の毛も白くなりすっかり廃人のようになっていました。ソフィアを引き取ったのは皮肉にも投獄の原因となった市長夫人でした。

夫人の専属のメイドとなり働くソフィア、いつしか夫人の信頼を得るようになっていきました。街で夫人のおともに買い物をするソフィアを見かけたセリーは、その変わり果てた様子に驚きを隠せません。

クリスマス休暇をもらったソフィアは夫人の運転する車で家まで送ってもらい、家族との再会を果たします。

幸せもつかの間、車の運転にまだ不慣れな夫人は車を回す事ができず黒人の男たちが手を貸そうとしましたが、過度に反応した夫人はソフィアがそばにいないと運転できないと言い張り、結局すぐに夫人と帰ることになったのでした。

ネタバレあらすじ 1936年 春

突然シャグが夫となった男グレイディと共に帰ってきました。ミスターもセリーも喜びますが、夫連れのシャグを見てがっかり。

ミスターとグレイディが飲み始め、セリーはキッチンで料理に取り掛かっています。そこに郵便物が届きます。

いつもはミスターが行きますが飲んでいて郵便物が届いたことに気が付きません、仕方なくシャグが取りに行きました。

手紙の束を見てシャグはセリーをこっそり2階につれて上がり、1通の手紙を見せました。その手紙の裏にはネティの名が!待ちわびた手紙がやっとセリーの元に届いたのです。

手紙にはこう書かれていました。「私は生きています」
ミスターに家を追い出された後にネティが向かったのは牧師夫婦の元でした。セリーはサミュエル夫人に一度街で出会ったことがあります。夫人が抱っこしていたのは自分と父そっくりの女の子、一目でオリビアと分かったセリー。

子供に恵まれなかったサミュエル夫妻は、セリーが最初に産んだ子アダムも引き取って育てていたのです。

ネティがそこに向かったと知って、更に自分が産んだ子供たちもネティと一緒に居ることが分かって天にも昇る思いでした。

ミスターとグレイディが酔っ払っている間に、セリーとシャグはミスターが隠し続けていたネティからの手紙を屋敷中探し回りました。そしてついに床下に隠されていた大量の手紙を見つけたのです。

セリーはその1通1通をすみずみまで読み、空白だった27年間を埋めていきました。ネティは夫妻とともにアフリカに渡り、そこで教師をしていると書いてありました。しかし、アフリカは開発の波にのまれて大変な騒ぎ。ネティたちは活動を中断して帰国せざるを得なくなったと書かれていました。

唯一救いだったのはミスターがネティの手紙を隠しはしたけど、

捨てないで保管していたことです。

でもなぜ捨てなかったのか?いつか見せようと思っていた?

それか、束縛するためか脅しの道具として使うつもりだった?

「いうことを聞かなければこの手紙を燃やすぞ」とか…?

ネタバレあらすじ エピローグ

セリーはネティが生きていることを知り救われます。その反面、抑圧し続けてきたミスターに対する殺意が再び湧き上がってきました。

シャグは散歩に出ていましたが嫌な予感がして慌てて駆け戻ります。そこには剃刀を振り上げて今にもミスターの喉を裂こうとしていたセリーの姿が。寸でのところでシャグに止められ、命拾いしたミスターでした。

苦しむセリーを見かねたシャグはセリーをメンフィスに連れて行くことに決めました。皆の前でそのことを告げると「そんなことは許さない」とミスターは猛反対です。

するとついにセリーがこれまで聞いたことがないようなはっきりとした口調で「あんたは汚いゲス野郎よ、ここを出て行くわ。殺したければ殺せばいい」同席していた父親に対しても「親が親だから子も子なのよ」

その場にいたセリー、シャグ、ハーポの元嫁ソフィア、彼女のメリー全員が反旗を翻したのです。セリーは「償いをするまで不幸に見舞われればいい」とミスターの喉元にナイフを突きつけと言い捨てました。

「私は貧しく、黒くて、その上醜い。でも神様 私は生きている」

そういって、シャグたちと一緒に出ていきメンフィスに向かいました。長い間縛られていたミスターからやっと自分を解放したのです。

ネタバレあらすじ 再会

1年後、見捨てられたミスターは飲んだくれて荒れ放題、セリーと一緒に出ていくのかと思えたソフィアは元の強いソフィアを取り戻しハーポとよりを戻して酒場を切り盛りしていました。

その後、セリーの父親が亡くなりセリーは葬儀に参列するためテネシーに戻りました。ネティからの手紙に彼は本当の父親ではなく、実父の死後に母親が再婚した相手だったのです。セリーが産んだ子供たちは弟妹ではなく息子と娘。

幼い子供を連れた妻に死因を聞くと「私に乗ってて…」なんと腹上死だったのです。

この父親だった男は死ぬまで性欲にまみれていたのです。絶倫すぎる!

セリーは実父に犯され続け、自分自身を穢れた存在だと長い間思いこまされてきました。

ミスターに売り飛ばされるように嫁がされたのも仕方ないこと、と受け入れてきました。そうではなかったことが分かって自尊心を取り戻す事ができたのではないでしょうか。

ネティからのいつ来た手紙にそのことが書かれていたのかはわかりませんが、ミスターが手紙を隠していなければもっと早くに立ち向かう決心がついていたのかもしれません。

セリーはもともと実父の持ち物だった実家の権利を手に入れました。そして町で「パンツショップ」を開きます。

この頃は女性はロングスカートをはく時代でした。パンツ姿の女性は革新的でセリーは最先端を行くデザイナーと言ったところ。日本ではまだ着物が主流でした。

シャグもテネシーに腰を落ち着けていました。

ある日ハーポの酒場で多くの客が集まる中歌を歌っていたシャグですが、教会から聞こえてくるゴスペルの歌声に気づき、同じ歌を歌いながら教会に向かいました。客たちもシャグの後に続きます。そして教会のゴスペル隊と合流、素晴らしいセッションが始まりました。

シャグが何度か教会の牧師と対峙するシーンがありました。牧師はシャグを拒み続けましたが、このシーンで2人は涙を流して抱き合います。2人は父娘だったのですね。ふしだらな生き方をしてきたシャグを牧師という立場にあるからこそ許せなかったのでしょう。「パパ、罪人にも魂はあるのよ」やっと許されたシャグを見てセリーの目にも涙が浮かびました。

コスモスが咲くころシャグたちと暮らすセリーのところに一台の車がやってきます。それはアフリカから帰国したネティとその家族でした。ついに姉妹は再会します。コスモス畑で抱き合う2人、奇跡の瞬間です。

そして成長したアダム、そしてオリビアも。オリビアは町で偶然見かけて、一瞬抱いただけの赤ちゃんだった娘が大きく成長し素敵な娘になっていることに驚きと感動で胸が震えました。

その様子を遠くから見つめるミスター、ネティが帰国できたのはミスターが移民局へ申請をしたからだったのです。

独りになって初めてセリーの存在の大きさに気が付いたミスター、せめてもの罪滅ぼしと思ったのかネティの帰国に手を貸しました。

ダニー・グローヴァ―がくそ野郎の役柄でちょっと残念に思っていましたが、ラストは彼らしい「いい人間」を演じられてよかったです♡

夕暮れに染まるコスモス畑で少女だったころのように手遊びをするセリーとネティのシルエットが浮かびました。

カラーパープルキャスト

主なキャストをご紹介します。主演のセリーを演じたウーピー・ゴールドバーグは『カラーパープル』で映画デビューします。

原作者のアリス・ウォーカーがサンフランシスコの舞台に立っていたウーピー・ゴールドバーグを見て主役に大抜擢しました。「ゴースト」や「天使にラブソングを」の明るくて陽気なイメージとは違った静かで抑圧された演技がその演技力の高さを見せました。

また、ソフィア役のオプラ・ウィンフリーもこの作品が映画デビュー作です。司会者として知られているオプラですが、大きな存在感を出して印象的でした。

セリー
演:ウーピー・ゴールドバーグ

アルバート”ミスター”
演:ダニー・グローヴァー

シャグ・エブリー
演:マーガレット・エイヴリー

ソフィア
演:オプラ・ウィンフリー

ネティ(若い頃)
演:アコースア・ブシア

ハーポ
演:ウィラード・ピュー 

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まとめ

1985年公開のオリジナル版映画での『カラーパープル結末と考察/ネタバレあらすじと感想』をご紹介しました。ミュージカル映画『カラーパープル』2024年2月9日(金)が公開されます。

時代は移り変わり、ポリコレに配慮するとか多様性とかが言われるようになったオリジナル版から39年経った今、スピルバーグ監督はどのように「カラーパープル」を描くのでしょうか?

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同じテーマの映画『ヘルプ ~心がつなぐストーリー』をご紹介します。

2009年に出版されたキャスリン・ストケットのデビュー小説が映画になって2011年に公開されました。1960年代の公民権運動を背景とし、ミシシッピ州ジャクソンに住む若い白人女性のスキーター(エマ・ストーン)と黒人のメイドの関係を描いた感動的でなおかつ風刺的ニュアンスも含んだ話題作。

作品は第84回アカデミー賞4部門にノミネートされました。そして、主要キャスト「ミニー」役を務めたオクタヴィア・スペンサーはアカデミー最優秀助演女優賞を受賞しました。

2011年公開でアカデミー賞に受け入れられた「ヘルプ ~心がつなぐストーリー」、1985年だと受け入れられなかった「カラーパープル」

この2つの映画をぜひみくらべて見て頂きたいと思います。

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