女神の見えざる手 登場人物相関図とネタバレあらすじ伏線とどんでん返し

映画

「どんでん返し」は映画の醍醐味です。先が読めない展開とミスリード、あちこちに仕掛けられた伏線。そして最後に待っているのは大どんでん返し。今回は天才女性ロビイストがラストを完璧などんでん返しで決める「女神の見えざる手」の魅力をまとめています。「どんでん返し」の映画が見たいと思ってる方、是非ご一読ください。

この記事でわかる事
女神の見えざる手、登場人物相関図
女神の見えざる手 ロビイスト達の戦い
女神の見えざる手のあらすじと伏線を解説
女神の見えざる手 ラストは驚愕のどんでん返し



女神の見えざる手、登場人物相関図

銃規制強化法案・賛成派

エリザベス(リズ)・スローン  政界でも信頼の厚い敏腕ロビイスト
銃規制強化法案に反対派のロビー団体会長とつながりがある、コール=クラヴィッツ&ウォーターマン社に所属していたが、強化賛成派のリズは賛成派に付くロビー会社ピーターソン=ワイアットへ移る
ジェシカ・チャスティン
生年月日  1977年3月24日 45歳
出身地   アメリカ合衆国
活動開始  2004年
出演作品  『ツリー・オブ・ライフ』『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』『ゼロ・ダーク・サーティ』『グッド・ナース』
公式サイト
Jessica Chastain (@jes_chastain) – Twitter
Jessica Chastain (@jessicachastain) – Instagram

 

ジェーン・モロイ  エリザベスの腹心の部下
学業に戻りたがっている。エリザベスと共にピーターソン=ワイアットには移籍せず、コール=クラヴィッツ&ウォーターマン社に残る事を選択するが…。
アリソン・ピル
生年月日 1985年11月27日 37歳
出身地  カナダ・トロント
出演作品 『ミッドナイト・イン・パリ』『スノーピアサー』『バイス』『スタートレック:ピカード』

 

ロドルフォ・シュミット  ピーターソン=ワイアットCEO
銃規制法案の成立に尽力するロビー会社ピーターソン=ワイアットのCEO。天才ロビイストのエリザベスを引き抜くも、なりふり構わず勝ちに行くエリザベスのスタイルに疑問を持つ。
マーク・ストロング
生年月日  1963年8月5日 59歳
出身地   イングランド・ロンドン
出演作品     『オリバー・ツイスト』『ゼロ・ダーク・サーティ』『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』
公式サイト Mark Strong (@mrmarkstrong) – Instagram

 

エズメ・マヌチャリアン
ピーターソン=ワイアットの社員。高校時代に銃乱射事件に巻き込まれた過去を隠し、銃規制法案賛成の活動をする。エリザベスに、事件の被害者であることをロビー活動に利用され、エリザベスの元を離れる。
ググ・バサ=ロー
生年月日  1983年4月21日 39歳
出身地   イングランド オックスフォード
出演作品  『ドクター・フー』『ロキ』『美女と野獣』

 

ダニエル・ポスナー
ピーターソン=ワイアットの専任弁護士
聴聞会でエリザベスの弁護をする
デヴィッド・ウィルソン・バーンズ
俳優、監督
生年月日  1972年10月30日 50歳
出身    アメリカ、カリフォルニア
出演作品  『疑惑の炎』『カーポティ』『死を処方する男ジャック・ケヴォーキアンの真実

 

フォード
エスコートサービスでエリザベスの相手。
聴聞会に召喚され、偽証罪を突きつけられても真実を言わずエリザベスを守る
ジェイク・レイシー
生年月日 1985年2月14日 38歳
出身地 アメリカ、マサチューセッツ
出演作品 『クリスマスがくれたもの』『世界一不幸せなボクの初恋』『GIRLS/ガールズ』

 

銃規制強化法案・反対派

ビル・サンフォード議員
銃規制反対派の政治家、女性有権者票を集めるために、女性たちを銃賛成派へと転身させてほしいとエリザベスに依頼する
チャック・シャマタ
生年月日  1942年 81歳
出身    カナダ、トロント
出演作品 『ザ・センチネル/陰謀の星条旗』『クラウン』『サバイバー:宿命の大統領 シーズン1』
ジョージ・デュポン
コール=クラヴィッツ&ウォーターマン社でエリザベスの上司
ビル・サンフォード議員の依頼を断ったエリザベスに激怒し、解雇する。更にエリザベスを失脚させる為にスキャンダルを暴こうとする
サム・ウォーターストン
生年月日 1940年11月15日 82歳
出身   アメリカ、マサチューセッツ
出演作品   『華麗なるギャツビー』『キリングフィールド』『ゴッドレス -神の消えた町』
パット・コナーズ
コール=クラヴィッツ&ウォーターマン社の社員
エリザベスの移籍後、銃規制反対派の依頼を受けて、チームリーダーになる
エリザベスの部下を買収するなどの妨害工作に出る
マイケル・スタールバーグ
生年月日  1968年7月5日 54歳
出身   アメリカ合衆国 カリフォルニア
出演作品 『スティーブ・ジョブズ』『ドクター・ストレンジ』『君の名前で僕を呼んで』
ロナルド・M・スパーリング上院議員
上院議員
エリザベスが召喚された上院倫理規則違反に関する聴聞会の議長を務める
ジョン・リスゴー
生年月日 1945年10月19日 77歳
出身   アメリカ、ニューヨーク
出演作品 『ミッドナイトクロス』『愛と追憶の日々』『ドリームガールズ』『インターステラー』

 



女神の見えざる手 ロビイスト達の戦い

ロビイスト「ロビー活動」とは?

まず、日本ではなじみのない職業「ロビイスト」とロビー活動について調べました。この事を調べるまではホテルのロビーなどで、ターゲットにした人物を観察する事なのかな?と本気で思っていましたが、語源はあながち間違ってはいないようです。

ロビー活動の初まりはユリシーズ・S・グラント米大統領(1869~77)の時代にホテルのロビーでくつろぐ大統領に直接「陳述」を行ったのが始まりと言われています。

この時、陳述をした人は偶然グラント米大統領にホテルのロビーで出会った訳ではありません。
この人物がグラント大統領に会うまでにした事は、
・グラント大統領がヘビースモーカーである事を調べる。
・ホワイトハウス内は禁煙である事を知る
・どこで葉巻を吸うのか予測を立てる
・ホワイトハウスに近いホテルで張り込む
ここまで「予見」して会う事ができた訳で、これらの事が「ロビー活動」の一環と言えます。

ロビー活動は主に欧米で盛んに行われていてロビー活動を専門に行う団体が存在します。業界団体、財界団体、職業団体、などがあり、利益を得たいクライアントからの依頼を受けて官僚や政治家、公務員などに陳情したり、圧力をかけたり、献金をしたりなどの様々な活動をします。

ちなみにアマゾン、フェイスブック、マイクロソフト、アップルなどでロビー活動をしているロビイストは435人、ロビー活動に使われるロビー費は70億円近くかかっているそうです。また、引退した議員がロビイストになるケースが多いのだとか。政治を行う側から、促す側に回るという事ですね。

「女神の見えざる手」でのロビー活動のテーマは「銃規制強化法案」です。

「銃規制強化法案」賛成派

銃規制強化法案賛成派というのは漢字だらけで分かり辛いですよね。「銃」と「賛成派」が組み合わさっているので、銃に賛成なのか?と勘違いされそうですが、銃と賛成派の間に「規制強化」と言う言葉が入ります。要するに「簡単に銃を持てないようにしたい」と言う人達です。エリザベス・スローンも賛成派。

「コール=クラヴィッツ&ウォーターマン社」で、敏腕ロビイストとして活躍していたエリザベスですが、ある時、銃の所持を支持するロビー団体から仕事を依頼されます。

規制強化に賛成しているエリザベスは依頼を断わったことでコール=クラヴィッツ&ウォーターマン社から退き、銃規制強化法案を支持する活動をしている小さなロビー会社「ピーターソン=ワイアット」に移籍します。

「銃規制強化法案」反対派

アメリカで超大型ロビー団体「全米ライフル協会(NRA)」はアメリカ政治と共和党に最も大きな影響を与えてきたと言われています。毎年銃による犠牲者が4万人を超えるにもかかわらず、銃規制が強化されないのは全米ライフル協会による影響が大きいという事です。

これをふまえて。。。
ビル・サンフォード議員は「銃規制強化法案」をつぶすために、コール=クラヴィッツ&ウォーターマン社にロビー活動を依頼します。

しかし、依頼した内容がいけませんでした。
・銃で子供を失った母親
・銃で子供を守りたい母親
・銃で脅され虐待やレイプを受ける事
・夫の暴力を銃で身を守る
このようなイメージで女性有権者の支持を得る方向へ導くというもの。

この依頼をびっくりするようなバカ笑いで一笑に付すエリザベス。「年寄り男が集まって考えそうなことだわ」女は弱くて愚かだから思い通りに変えられると安易に考えている男たちに「安全を謳えば女がなびくなんて陳腐な考えは捨てろ」と言い放ちます。



女神の見えざる手のあらすじと伏線を解説

女神の見えざる手のあらすじ

大手ロビー会社「コール=クラヴィッツ&ウォーターマン社」で辣腕をふるうエリザベス・スローンは、銃の所持を支持するロビー団体から仕事を依頼されます。女性の銃保持を認めるロビー活動をして、女性有権者の票集めをするのが目的です。

銃規制強化法案に賛成のエリザベスは仕事を蹴って、部下を引き連れ銃規制派のロドルフォ・シュミットがCEOを務める小さなロビー会社「ピーターソン=ワイアット」に移籍。

エリザベスの過去のスキャンダルが暴かれたり、スタッフに命の危険が迫るなどコール=クラヴィッツ&ウォーターマン社の犯罪ギリギリの妨害を受けながらも斬新なアイデアと決断力、利用できるものは何でも利用し勝ちに行く貪欲さで難局を乗りえます。

女神の見えざる手の伏線を解説

ここからはエリザベスが仕掛けた伏線を解説します。
まず冒頭はエリザベス・スローンのセリフから始まります。

ロビー活動は予見すること。敵の行動を予測して対抗策を考える事。勝者は敵の一歩先を読んで計画し、自分の手を見せるのは敵が切り札を使った後。相手の不意を突いても、自分が突かれてはだめ。

エリザベスの必勝パターンは「敵の一歩先を読んで計画し、自分の手を見せるのは敵が切り札を使った後」

エリザベスがどんな風に一歩先を読み、どんな計画をし、どのようにして相手に切り札を切らせたのか、様々なシーンに隠された伏線を回収しつつ、最後のどんでん返しに向かうのかを見ていきましょう。

ジェーン・モロイの回想シーン

映画の冒頭はエリザベス・スローンが連邦議事堂での聴聞会に召喚され、ロナルド・スパーリング上院議員から問い詰められているシーンで始まります。

カメラはエリザベスを後ろから見つめる部下のジェーン・モロイにピントを合わせ、聴聞会に至るまでの3か月と1週間前の回想にフラッシュバックします。

聴聞会で証人喚問されるきっかけになったのは「ヌテラ税」

聴聞会に召喚されたきっかけになったのは「ヌテラ税」に対するロビー活動です。「ヌテラ」とはチョコレート風味の甘いクリームでパンに塗って食べるアメリカでは人気の食品です。

インドネシア政府から依頼された「パーム油の輸入時の税金を300%にする」と言う法案が上院で通ればパーム油の値段は高騰し、パーム油を使って作る「ヌテラ」の価格が上がって、消費者にとっては不都合です。

エリザベスはその法案を通さない為のロビー活動の一環として、鍵を握る上院議員と家族を豪華なインドネシア旅行に招待することを画策します。この計画が利益供与にあたり聴聞会で証人喚問されるきっかけとなるのです。

ピーターソン=ワイアットの専任弁護士ダニエル・ポスナーからは聴聞会では何が何でも「黙秘権」を貫き通せ!と厳しく指導を受け「弁護士の助言により、米国憲法修正第5条に基づき答えることを拒否します」と言い続けるエリザベス。

 

3か月と1週間前から計画はスタートしていた

回想シーンではエリザベスはまだコール=クラヴィッツ&ウォーターマン社に勤務しています。部下のジェーンはロビイストの裏側に嫌気がさし、やっと大学の奨学金の返済が終わったので大学院に進み学問の道に進みたい、とエリザベスに話します。

その話を遮ってエリザベスは「ヌテラ税」の鍵を握る上院議員をインドネシア旅行に招待するという倫理規則に抵触しかねない計画をジェーンに打ち明けます。この何の関係もなさそうな計画こそがエリザベスが仕掛けた「地雷」になるのでした。


その後、エリザベスは銃ロビーの仕事を断った事でコール=クラヴィッツ&ウォーターマン社を退社します、これも計画の内の1つ。

しかしある夜、計画にない出来事が起こります。パーティの後で銃規制強化法案を支持している「ピーターソン=ワイアット」のCEO、ロドルフォ・シュミットから、自分の会社へ移籍しないかと誘われるのです。エリザベスがコール=クラヴィッツを退社したことを聞きつけて接触してきたのでした。

「ピーターソン=ワイアットから君への提示額だ」と渡されたメモ書きには、今回の銃規制強化法案を通す仕事の報酬は「ゼロ」、その裏側には「A conviction Lobbyist can’t only believe in her ability to win(信念のあるロビイストは、勝つ能力だけを信じているわけではない)と書かれていました。メモ書きを何度も読み返して、考え込むエリザベス。

恐らくシュミットからの移籍のオファーはエリザベスの当初の計画にはないものだったと推察します。しかし、自分の成し遂げようとしていた事とシュミットとの出会いが、丁度タイミングよく重なったことで、計画の調整が必要になりました。

その事は、シュミットと別れた後、ジェーンに電話するまでの間のシーンでうかがえます。まるで、エリザベスの脳内の動きがわかるかのような描かれ方がしてありました。このシーンでエリザベスは考えに考え抜いて、計画を練り上げます。

そもそも、エリザベスが計画していた事とは何でしょう?ヌテラ税の廃案?銃規制強化法案?いいえ、もっと大きな計画があったのです。

1度目のジェーンへの電話

その夜、エリザベスはジェーンに電話をします。「ソクラテスが何も書いていないのなら、どう民衆を惹きつけたの?」とジェーンに聞いたのです。どういう意味なのでしょう?

古代ギリシャの哲学者ソクラテスは自らの著書はなく、全て弟子のプラトンらが書き残したものが後の世に。ここでのソクラテスはエリザベス、プラトンはジェーン。その後、二人は会って話をしていますが、どんな話をしたのかは明かされていません。

エリザベスが話し、ジェーンが動く。ここで全ての計画がジェーンに伝えられたと考えられます。

翌朝、エリザベスは上院倫理委員会に提出する書類にサインをしてジェーンに渡します。この書類の事をよく覚えておいてください。とても重要な書類ですが、それとわからないように何気なく渡されました。

そしてエリザベスは銃規制強化法案を通すために「ピーターソン=ワイアット」に移籍することをミーティングの席で突然発表します。「誰が一緒に来る!?」幾人かの部下がエリザベスと共に移籍を決めました。

当然、腹心の部下であるジェーン・モロイもエリザベスについてくると思われましたが、ジェーンは保身を理由に移籍を蹴りました。しかし実はこれも計画の一部、エリザベスの密偵としてコール=クラヴィッツ&ウォーターマン社に残ったのでした。

ミッションインポッシブル的なチーム・エリザベス

天才ロビイストであるエリザベスは、ロビー活動の一環として、24時間体制で対象を監視・盗聴する非公式のチームを雇っていました。携帯のハッキングや盗聴は当たり前、ターゲットの弱みを握ったり、部下の裏切りにいち早く気づき、対処するための秘密のチームです。活躍したのは「ゴキブリ型盗聴器」

これまで、頭脳戦がテーマで、駆け引きが見どころと思っていましたが、ミッションインポッシブル張りのチームの存在に正直驚きました。

見どころの一つではありますが、少しがっかりもしました。こうなると、ニュアンスが変わってくるからですが、ここは見逃すことにしましょう。

ロビイストは手段を選んではいられません、どんな手を使ってでも「場」を掌握する必要があるのです。

ロドルフォ・シュミットは「規範を破る行為」と盗聴を禁じますが、結果として、この「ゴキブリ型盗聴器」がいい仕事をし、部下の裏切りを見つけて敵に嘘の情報を流したりエリザベスの最後の切り札となる映像を集めてくることになるのです。

境界線

エリザベスが移籍したピーターソン=ワイアットのチームメンバーに、銃撃事件の被害者エズメ・マヌチャリアンがいました。エリザベスは非情にも、心に傷を負ったエズメを無理やりメディアに引っぱり出して、銃規制強化への世論の喚起を促そうとしました。

エリザベスにとってエズメは銃規制強化法案に勝つための道具の一つ?恐らく、移籍先にエズメがいる事も調査済みだったに違いありません。エズメを銃規制強化法案キャンペーンの顔にした事で賛成票が増えてきましたが、ある時、まさか!?な事件に巻き込まれるのです。

エズメは講演先で銃を持った暴漢に襲われます。そこを同じく銃を持った民間人に救われる、と言う事件が起ります。恐らくこれはエリザベスの失脚をもくろむコール=クラヴィッツ側の策略です。

この事で銃の必要性が強調され、反対派は優位に立つことになります。賛成していた議員たちが離れていき、窮地に立つエリザベスとピーターソン=ワイアットチーム。

コール=クラヴィッツ側はエリザベスの弱点を探り、一気に潰そうと仕掛けてきます。

2度目のジェーンへの電話

キャンペーンは暗礁に乗り上げ「打つ手なし」となったかと思われましたが、ここでエリザベスはコール=クラヴィッツに残ったジェーンに電話を入れます。

「出ないかと思った」「間違い電話ですよ」

これが次の作戦へのゴーサイン。

そしてジェーンが動きます。ミーティングではエリザベスがしてきた仕事の穴を見つけようと躍起になっているチームに対し、ジェーンはさも思い出したかのように「ヌテラ税」の一件を持ち出します。そして、エリザベスがコール=クラヴィッツを退社する日の朝に渡されていた「上院倫理委員会に提出する書類」を持ち出し、上院倫理違反を証明できる、と言ってジョージ・デュポンに報告するのです。

エリザベスのしっぽをつかんだと思ったジョージ・デュポンはロナルド・M・スパーリング上院議員を脅して上院倫理違反の聴聞会を開かせ、エリザベスを証人として召喚させることに成功します。

しかし、この聴聞会こそがエリザベスの目的でした。聴聞会を開き、銃規制強化法案を通過させ、更にもう一つの大きな目的、銃ロビー団体と政治家の癒着、いわゆる「ネズミ」のあぶり出しです。



女神の見えざる手 ラストは驚愕のどんでん返し

ラストに待つのは驚愕のどんでん返し

エリザベスがジェーンと仕掛けた罠は、自分をつぶさせるためにおとりになって、相手に証拠をつかんだと油断させる事。ジョージ・デュポンを動かして、腐敗した政治家と会わせる事。すべてはラストのどんでん返しに受かって転がり始めます。

そして、罠にはまったジョージ・デュポンとロビイストを毛嫌いしているロナルド・M・スパーリング上院議員の密会の様子が例のゴキブリ型盗聴器でバッチリ録画されました。

エリザベスは自分の犯した倫理違反を認めたうえで、議員たちに正しい選択をしてほしいと頼みます。しかし、この国の民主主義はうまい汁を吸い続けるネズミたちに支配されている、と続けます。

ラストに待っているのは驚愕のどんでん返し。エリザベスは最後にあるファイルのアドレスを読み上げます。そのファイル名は”激震”

場内は騒然とし、全てのデバイスに動画が再生され始めました。会場のあらゆる場所で車中でのデュポンとスパーリング上院議員の会話が流れます。あるものはファイルを転送し、あるものはツィートし、瞬く間に動画は拡散されていくのでした。これこそがエリザベスの切り札、どんでん返しの瞬間です。

銃規制強化法案を通過させることはきっかけの一つですが、民主主義を蝕む本当の意味での「寄生虫」達を倒し、正しい事を正しいと言える社会を築くための戦いだったのです。

エリザベスとジェーンが取った行動は銃規制に反対する大きな組織にとってはほんの一刺し程度のものだったかもしれませんが、くさびの1つを打ち込めたことは確かでした。

どんでん返しの後始末

聴聞会の後エリザベスは偽証により連邦矯正施設に入れられました。訪ねてきた弁護士はエリザベスにキャリアをかけた価値はあったか?と聞きます。

「キャリアでいのちをすてるくらいなキャリアそのものを捨てる方がいいと思った。」

この計画を知っていたのはジェーンだけ。なぜならば偽証罪の刑期は5年、エリザベスは仲間が罪に問われずに済むように配慮したのだと思います。

出所したシーンでエリザベスの視線の先にはもしかしたらジェーンが迎えに来ていたのかも。

 

女神の見えざる手どんでん返しの待つラストへ、登場人物相関図と天才ロビイストが張り巡らせた伏線とは!?のまとめ

なんといってもジェシカ・チャステインがはまり役でしたね、頭がよく、切れ味抜群の所作や言動、
かと思えば一人でじっと考える時の脳の回転まで見えそうな表情を見せ、かと思えば、女性らしい弱さも見せつつ、わなを仕掛けるハンター。

彼女は作品中で最初のわざとらしい馬鹿笑い以外には一度も笑わず、常にクールな表情を貫いており男社会で戦う女性の強さにあふれていました。政治サスペンスとスパイ映画の要素もあり脚本もカッコいいですね!

多くの伏線が敷かれ、回収が追い付きません。あれはこうだったのか? あ、ここにつながるのか? って。もう何もかもが計算ずくで、ここまで気持ちいい面白い映画は久しぶりに観た気がします。
スカッとしたい時、仕事に疲れた時なんかには最高にお勧めの映画です。
今回は

女神の見えざる手、登場人物相関図
女神の見えざる手 ロビイスト達の戦い
女神の見えざる手のあらすじと伏線を解説
女神の見えざる手 ラストは驚愕のどんでん返し

以上の事についてまとめました。

また、同じように「どんでん返しが面白い映画」としてお勧めしたいのは「ほの蒼き瞳」です。1830年のニューヨーク、陸軍士官学校での連続猟奇殺人事件の調査に借りだされたのは退役した警察官と若きエドガー・アラン・ポー。そしてラストに待っていたのは驚愕の大どんでん返しが!
「女神の見えざる手」とは全く違う種類のどんでん返しを味わって頂きたいです。

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netflixに初登場!映画「ほの蒼き瞳」の感想と考察をまとめました。「ほの暗き」ではなく「ほの蒼き」瞳と言うタイトルに魅かれました。観る前から当りを引いた予感がします!誰の瞳がほの蒼いのだろう…?原作はルイス・ベイヤードの小説「陸軍士官学...

最後までお付き合いいただきありがとうございました。〈Pinoko編集局〉



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