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「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」は大物映画プロデューサーによる性的暴行事件の真実を追い求める女性記者たちの勇姿を描いた問題作。
ニューヨーク・タイムズの二人の記者ミーガン・トゥーイーとジョディ・カンターによるベストセラー回顧録『その名を暴け―#MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い―』を映画化したものです。
「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」キャスト
「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」のキャストをご紹介します。
[ミーガン・トゥーイー]
キャリー・マリガン
『プロミシング・ヤング・ウーマン』『17歳の肖像』『華麗なるギャツビー』などに出演し、アカデミー賞に2度ノミネートされた経歴を持つ
[ジョディ・カンター]
ゾーイ・カザン
TVシリーズ『プロット・アゲンスト・アメリカ』『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』などにも出演する
[ハーヴェイ・ワインスタイン]
マイク・ヒューストン
脇を固めるのはパトリシア・クラークソンや、アンドレ・ブラウアー、ジェニファー・イーリー、サマンサ・モートン
驚いたことにキャスト一覧に実際の被害者アシュレイ・ジャッドの名前がありました。
もしかしたら、他にも実際に被害を受けていた出演者がいるのかも?
製作総指揮は、ブラッド・ピット
製作会社プランBとアンナプルナが手掛けます。
ブラッド・ピットは、被害者の一人であるグウィネス・パルトロウの元恋人でもあり、当時ワインスタインに忠告をしたといいます。
「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」原作は実話
原作は実話だった!?
この事実を知った時、うそでしょ?と衝撃を受けました。
レイプ被害をテーマにした映画はジュディ・ホスタ―の「告発の行方」などたくさんありますが、「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」は実話です。
予告ティーザーを見た時、これはまたヤバい映画が来たな!すごい脚本!!!と思いましたが
なんと、原作は事実に基づく出来事で全てが実話だったという事を知り、更に興味がわきました。
原作はミーガン・トゥーイーとジョディ・カンターの2人の記者により、2017年10月5日にニューヨーク・タイムズ紙に掲載されたスクープ記事。
2人の記者は、アカデミー賞作品賞に輝いた「
「夢」が作られるハリウッドの頂点にいる人物が性的暴行事件を何十年にもわたって起こしていたという事が「実話」であるという事は大きなショックでした。
このスクープ記事は翌年ジャーナリズムの権威であるピューリッツァー賞を受賞し、このことは「#Me To」Me Too運動へと繋がっていきました。#Me Tooは世界中に広がり、それまで泣き寝入りしてきた多くのハラスメント被害者たちが声を上げていったきっかけになりました。
#MeToo とは
#MeToo(ミートゥー)は、セクハラや性的暴行などの性犯罪被害の体験を告白・共有する際にSNSで使用されるハッシュタグである。「私も被害者である」という意味で「私も」を意味する英語にハッシュタグ(#)を付している。欧米では、被害を告発する#MeToo運動と、被害の撲滅を訴えるTime’s Up運動が存在するが、日本においては両方の意味で「#MeToo」のみを用いることが多い
「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」あらすじ
「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」のあらすじをご紹介します。
「神」と呼ばれた、ハリウッドに君臨する映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインは数十年に及び性的暴行を犯していました。社内の女性スタッフや自社作品に出演する女優、若い女優志願者などに暴行と虐待を繰り返していました。
事件を口外すれば映画界にいられなくするなどと被害者を脅迫したり、口止め料を払って守秘義務を含む示談契約を結んでいたため、長年にわたって発覚することなく、また被害にあった女性たちは、恐怖から泣き寝入りするしかありませんでした。
ハーヴェイ・ワインスタインは過去に暴露記事が出ても、何度も記事をもみ消してきましたが
ニューヨーク・タイムズの記者ミーガン・トゥーイー(キャリー・マリガン)とジョディ・カンター(ゾーイ・カザン)の二人によってついに白日の下にさらされることになったのです。
ミーガンとジュディの調査はハーヴェイ・ワインスタインをとり巻く業界や組織に激しく妨害されました。ワインスタインは雇用した元諜報員らのチームをつかって被害者の弱みを握るため身辺調査をさせたり、取材を妨害しました。
問題の本質は業界の隠蔽構造、ひいては性加害者を守る法のシステムにあるだと知ったミーガンとジョディ。
「出世したくて寝た女の話だろ」などのお決まりの偏見や、多方面からの圧力によって潰されそうになりながらミーガンとジュディは信念を貫き通します。
「私はあなたに起こった事を変えることはできません。でも、一緒に他の人を守る事はできる」
その態度に共感し証言することを勇気をもって決意した被害者の女性たちと共に突き進みます。
ハーヴェイ・ワインスタインの真実を暴く突破口となったのは被害者たちに示談で支払った和解金。もらった側は訴えられるため証言できない。では誰が金の動きを自由に証言できるのか???
「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」考察
記事を書くにあたってハーヴェイ・ワインスタインについて調べていくうちに、ふつふつと怒りが湧いてきました。ハーヴェイ・ワインスタインに対しての怒りもありますが、この事実を知らなかった事がとても悔しく、また恥ずかしい気持ちになりました。
ハーヴェイ・ワインスタインのような男がプロデュースしていた作品を観て感動していた事にも腹が立ちました。作品に罪はないけど、何だか気持ち悪く感じます。
ハリウッド映画界で大成功を収めた男の本質は腐っていました。なぜ、そんな男が長きにわたって君臨できたのか? そこが不思議でしょうがない。 頭もよく、仕事もできる。でも裏では暴行を繰り返す…。
アシュレイ・ジャッド、グウィネス・パルトロウといった著名な女優が被害を告発し、またミラ・ソルヴィノは「ワインスタインの性的強要を拒絶した」と語っています。
それを裏付ける証言をしたのがピーター・ジャクソン監督。ジャクソン監督はワインスタインから出資を受け「ロードオブザリング」を製作していたため、ワインスタイン側から「アシュレー・ジャッドとミラ・ソルヴィノには散々な目に遭わされたので、映画に起用しないように」と言われて、裏の事実は知らなかったまでも要請を受けた、と告白しています。やり方が狡いワインスタイン。
事件が報道される2017年ハーヴェイ・ワインスタインは2番目の奥さんと離婚しています。奥さんは旦那のそのような一面を知っていたのでしょうか?奥さんも被害に遭っていた?あるいは、ワインスタインは何らかのトラウマを持っており、そのトラウマを解消するための手段が性的暴行だった?
カンヌやヴェニス、ベルリンの映画祭でも常連だったそうで、行く先々で暴行事件を起こしては隠ぺいしていた、という事です。だからフランスやイタリアでも告発運動が起こっている訳ですね。納得です。いつまでも女性たちが黙っているはずがありません。
性加害者(ここではワインスタイン)を白日の下にさらし、告発し社会的制裁を加える、までに追い込むのは一人の力ではできなかったでしょう。「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」においてはミーガン・トゥーイーとジョディ・カンターは二人だから取り組めたのだと思います。
妨害に会っても屈せず、勇気をもって信念を貫く、女性の芯の強さが証明されました。被害者の女性たちや目撃者たち、全員の勇気と協力があって成し遂げられたのです。
被害者の女性たちが受けた傷が癒える事はないでしょう、しかし今後この男に被害を受ける女性はいなくなりました。
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