ペンションメッツァ昔の男は死んでいるの?ロケ地・あらすじと感想

邦画・ドラマ

長野の別荘地、カラマツの林の中に建つ一軒の家「ペンションメッツァ」客室は1室のみ。その家に住むテンコ(小林聡美)は一人でマイペースに暮らしていました。ペンションを訪れる古くからの友人や、たまにふらりとやってくる客は一人客ばかり、そんな客たちと関わっていくうちにテンコ自身も大事なことに気づかされる物語です。特に印象的なエピソード「むかしの男」はちょっと切ない不思議な感覚になります。

この記事では

ドラマ「ペンションメッツァ」のロケ地
ドラマ「ペンションメッツァ」の概要
ドラマ「ペンションメッツァ」のネタバレあらすじと感想・「昔の男」は死んでいるの?

以上についてまとめました。



ペンションメッツァのロケ地

「メッツァ」はフィンランド語で「森」と言う意味。
その名の通りポツンと一軒家のごとく森の中に佇んでいます。
ドラマ全篇を長野県富士見町と原村、乙事区(おっこと)などで撮影!

[PR ] ペンションメッツァのロケ地!長野県富士見村と原村周辺の観光スポットを楽天トラベルで確認!

ペンション制作に携わったのは
「土木・建設、映像制作現場のエキスパート今井建設株式会社」
〒399-0214長野県諏訪郡富士見町落合2373
制作には「諏訪圏フィルムコミッション」も名を連ねています。
数々の映画、ドラマ、MV、CMの制作側とロケ地の調整、交渉などを引き受けている団体です。
魅力のある場所ならではの事業ですね。諏訪市観光課、なかなかいい仕事をしています。

ペンションメッツァの概要とあらすじ

ペンションメッツァは全7話、1話25分くらいのショートストーリーからなるドラマです。様々な映画・ドラマで自然体で生きる女性を演じてきた小林聡美が、自然あふれる森の中でペンションを経営する主人公のテンコとして、そこに訪れる個性的なゲストと2人芝居を繰り広げるWOWOWオリジナルストーリーがNetflixでも視聴可能になりました。

初回放送時、第4話「道半ば」が放送困難となり、第4話を除いた全6話完結で放送されましたが、2022年4月3日再放送時に未公開であった第4話を含め全7話が放送されました。また、この第4話は2021年8月4日発売のBlu-ray、DVDには収録されていません。

脚本・監督は松本佳奈、小林聡美とは「マザーウォーター」「東京オアシス」「パンとスープとねこ日和」はじめ、度々タッグを組んでいます。 特別変わった出来事もなく、ゆるりとご飯を食べているシーン、スローライフ的なただ淡々と日常を綴る、と言うような内容が特徴の作品がほとんどです。

見る人にとっては退屈かもしれませんが、ノスタルジックな世界感やスローな時間の流れにそこはかとなく憧れをい抱かせる作品の数々には、多くのファンを魅了する何か「安心」するような要素があります。

家事と育児と仕事、と忙しく働きづめの女性たちにとって松本佳奈監督の描く世界感は、何度でも足を踏み入れたくなる「心のオアシス」なのです。息切れしそうになった時や窮屈を感じた時に見たくなるドラマです。

「ペンションメッツァ」にやってくる人々は、大きな悩みを抱えている訳ではありません。ただテンコとの会話を通して、今ある自分はどうなのか?このままでいいのか?変わるべきなのか?と自分を見つめ直す時間を得て、何かしらの答えを見つけてまた旅立っていきます。テンコ自身もまた、自分を顧みるきっかけをつかみます。

毎回テンコが言う気になる言葉をピックアップしてみましたので(ピンク文字)気に入って頂けたら嬉しいです。


ペンションメッツァのネタバレあらすじと感想・「昔の男」は死んでいるの?

1話 「山の紳士」キツネの贈り物

1話「山の紳士」はペンションの庭の茂みから突然現れた妙に身なりのいい男・常木(役所広司)がお客さんです。歩いているうちに道に迷って戻り方がわからなくなり、宿を探していると聞いて、戸惑いながらもペンションへと招待するテンコ。

中に案内された常木の襟元に葉っぱがついているのをテンコが取ろうとすると、過敏に反応して素早く首を引っ込める所作がちょっと気になりましたが、それなりの理由がありました。

常木が何か手伝いはないか?とやってきます。のんびりしていてください、と言うテンコに「のんびりできない習性なんです。」散歩を勧めても「散歩には飽きました」と。とにかく何かさせてくれと言う常木に困ったテンコですが、庭の草むしりをしてもらう事に。

「雑草、と勝手に人間が決めつけてひとくくりにしている」と楽しそうに草むしりをする常木、生き生きとしていますね!
「雑食ですから」「歳はとっているけど木登りは得意」と言う発言や突然の犬の吠え声に飛びはねるほど驚き、テンコの後ろに隠れようとしたり、何かと不可解な行動の常木に戸惑うテンコです。

夕食の席での会話に中で「動物が植物を食べ、糞になってまた栄養となり植物が育つ。そこに感情は含まれません。この感情と言うものが厄介なもので…。」と話す常木はとても満足そうにテンコの作った料理を食べています。

「人間って時々誰かのために何かをしないとだめになってしまう生き物なんですね」

テンコの言葉に感慨深そうに聞き入る常木でした。

翌朝、テンコが朝食のお知らせに部屋に行くと常木の姿はなく、ベッドには蕗の葉っぱが敷かれた上に大きなマツタケが一本。

 

森では一匹のキツネを見守る「森の人(もたいまさこ)」が。。。
まるで、「テンコの所に行ってきたかい?どうだった?」と聞いているようでした。もしかして常木は森の人から「感情」というものを教えられたキツネだった?

2話 ひとりになりたい ソロキャンのススメ?

キャンプ場にソロキャンにやってきたミツエ(石橋静河)、見まわすと先着のキャンパーの男が一人いるだけ。ミツエがテントを張っているとそのベテランソロキャンパー風な小川(ベンガル)が近づいてきて、偉そうにあれこれとウンチクをしゃべり始めました。ウザイですね。

何かと口出しする小川に嫌気がさし、テントを畳んで移動を決めたミツエですが、そこ以外にはキャンプ場はないみたい…。とぼとぼと歩いているとテンコと遭遇、ペンションに誘われました。

せっかくなので、という事なのでしょうね、部屋の中でテント設営が始まります。これめっちゃ楽しそう!!!

テンコとミツエ、食事をしながら話しているのだけど、台本なんてなさそうなくらい、普通な感じで会話が進んでいてビックリするくらい自然です。見ている側も、そうそう、それ聞くよね、なんて共感する部分がたくさんあります。

今回のテーマのキーワードは「一人」です。ソロキャンや一人車中泊が流行っているこの頃ならでは、ですね。

「猛烈に一人になりたくなる時がある」「誰にでも優しくなんてできない」と言うミツエに、考えすぎなんじゃない?とテンコ。

「誰にでも一人になりたいと思う事があるからこそ、人といるのもいいと思える」

キャンプ場ではテントの外でうたたねする小川にそっと毛布を掛ける森の人が。。。

3話 「燃やす」火おこしのこだわり?

3話目の客は常連のお客さんである、カメラマンのフキ(板谷由夏)が1年ぶりに訪ねてきました。
テンコは「いいね~、いろんなところに行けて」とエストニアに行っていた、と言うフキに言いますが、なんだか飽きてきちゃった・・・と答えるフキ。

たまった写真のポジを庭で燃やすことになりました。この時、庭に出て火を起こすシーンがあるのですが、ソロキャンが流行り始めた昨今、みんなそれぞれに火起こしに関するこだわりがあって、一種の儀式のような神聖な物らしいです。テンコにもそんなこだわりがあるらしく、それが結構細かく描かれていて可笑しかったですね。

写真のポジを燃やしながら、「仕事、飽きてきちゃったんでしょう?」と聞くテンコ。「つまらなくなったとかじゃなくて、慣れちゃったのかな~」と答えるフキ。そんなフキの様子に「フキの写真は、どれも同じ空気感が漂っていて、後ろにスコーンと抜ける潔さがある。その人がそのまま出ちゃうからおもしろいよね~。」と。その言葉になにかを感じ取るフキでした。


夕食を取りながら話すふたり。
仕事へ対する思い入れに変化を感じているフキに対して、生きていると変わってくることもある、と言うテンコ。ペンションをすることを向いてると思ったことは一度もないけど、でも、向いてない事をやってるのも面白いかなって思う。と続けます。

「偶然だと思う事も自分で選んでいるのだと思う、なんでこんな事を?と思うけど、結局はその時自分で選んで決めてる」

朝、早起きして散歩するフキ、森の中の小川の傍で森の人に遭遇。

4話 「道半ば」 日本2周!?

ある朝、テンコは無くした携帯を探し回っていると、玄関先を行きつ戻りつしている汗だくでボロボロな様子の自転車青年ソウマ(伊藤健太郎)を発見。声をかけると「水が一杯欲しい」というのでペンションに案内しました。出された水を一気に飲み干し、そのあと号泣するソウマ、自転車がパンクし、携帯も落としたと。

今日、泊めてもらってもいいですか?
シャワーを浴びて、一眠り、さっぱりしたソウマ。

話しを聞くと、自転車で日本一周旅行をしていて、2周目をやっているといいます。止め時を失って迷っている、といった状況だそうです。自転車で走っていると親切にしてもらえて、いろんな人に助けてもらえて、立派だね、頑張っているね!と言われて自分が凄いやつなんだと錯覚してしまうけどゴールして帰ってもただ、留年している学生と言うだけ。

出会った人の親切が初めは嬉しかったけど、心苦しく感じるようになった、と話します。そんな話を聞いて「たまたま出会ったもの同士、お互いさまなんじゃない?」というテンコ。その言葉に納得がいった様子のソウマでした。

ソファーの隙間に挟まっていた携帯を見つけたテンコはソウマの携帯に電話をかけてみるように促します。誰かが拾ってくれているかも、と。で、電話をすると森の中で光る携帯。そこに光に誘われるように森の人が登場。なんといえないファンタジーな映像でした。

翌朝、自転車のパンクを修理するソウマ、そばで見ているテンコですが、ここでまたお得意のアドリブ合戦が! 明らかにセリフじゃないでしょ!と言うやり取りの応酬があって面白かったです(本当は台本通りだったかもしれないけれど、そうだとしたら伊藤健太郎君のなかなかの役者ですな)

さて、修理も終わって出発!となった時ふと入口付近の石の上にソウマの携帯が置いてありました。この演出、ほっこりですね。森の人、ありがとう!ですね。



5話 「ヤマビコの休日」ただ食べているだけのシーンが秀逸

泊り客のいない日、テンコは散歩途中で湧き水場を訪れます。そこで偶然ヤマビコストアーのヤマビコさんに会います。彼も今日は休みの日、湧き水場に水汲みに来ていました。普段と違う格好をテンコに「おしゃれね」と言われ照れるヤマビコさん。帰りにテンコをペンションまで送っていきました。

用事がなければお茶どうぞ、と誘われペンションに入るヤマビコさん、いつもは玄関までしか入らないので、中のしつらえを見て感動しています。建物の作りを見て専門用語で話すヤマビコさんの以前の仕事は建築関係だったそうです。

怪我が原因で建築の仕事を辞めて、ある時手相占いで運命線がきれぎれになっている事から、何をやっても長続きしないと言われた、と言うとテンコは「ふらふらしてないと経験できない事ってあるよね、転々として来て今ここにいるわけだから」

夜、一人料理を作るテンコ、お豆腐にしらすをのせてトマトの刻んだのをトッピング。それと手巻き寿司。お酒も用意されています。食べるのも今夜は一人。一人芝居ですね。このシーン、かなり長尺です。でもすごいなと思いました。ただ食べているだけのシーンなのに魅入ってしまいました。小林聡美の真骨頂、と言った感じ。

翌朝、配達にやってきたヤマビコさん、「なんか昨日と感じが違うね!」とテンコに言われて照れた様子。心の内を聞いてもらった事でステージが上がったのかな? しかし…なぜは助手席に座っていた森の人。。。♪

6話 「むかしの男」 死んでいるの?

「こんにちは、きちゃった」と花を抱えて突然やってきたのは、作務衣を着た元カレのコマちゃん(光石研)戸惑いながらも歓迎するテンコ。もらった花を花瓶に挿してテーブルに飾ります。

自分としてはちょっと不本意です。テンコの元カレが光石研さん…う~ん、どうなんだろ。チーム・小林(架空)の常連さんでもありますが。もうちょっとだけ若い人が良かったのになぁ…。加瀬亮さん?ちょっと若すぎるか。それか1話に登場した役所広司さんだったらよかったな。でも役所さん、キツネになっちゃったし。

それはさておき、思い出話に花が咲く二人。盛り上がってその内、歌ったり踊ったりし始めました。その後バス停まで送っていくのですが、ここでもまたアドリブっぽいのが見れて面白ろかった!ここで明らかに森の人に遭遇するのだけど、ふたりとも当たり前の事のようにやり過ごします。

なんで結婚しなかったんだろう?と聞くコマちゃん、タイミングが合わなかっただけ、とテンコ。

「いろんなことがあって、それで今がある、でもね、そろそろ人の役に立つような事をしないと、この歳まで生きてきた意味がないかななんて考える」

不思議な会話がいくつかあります。
テ〉「コマちゃんの今いるところってどうなの?」
コ〉「うん、いいところだよ、あんまり詳しくは話せないんだけど」
コ〉「じゃあそろそろ行くね、明るいうちに戻らなきゃいけないから」
テ〉「逆かと思ってた」
テ〉「また会えるかな?」
コ〉「いつかはね」

と言う風に。
そして去って行くコマちゃんの後ろ姿を見送るテンコ、次に見た時にはもう姿はありませんでした。夕方ペンションに帰りつき、コマちゃんが持ってきてくれた花はテーブルにそのままありました。テンコはアルバムから一枚の写真を取り出して花瓶に立てかけました。それは写真は若い頃のコマちゃん。

ここでやっと明確に気が付いた私なのです。元カレはもっと若い人か役所広司さんだったらよかったのに、なんて罰当たりな事を言ってしまいました。

ペンションメッツァにはいろいろな人が訪ねてきます。それはキツネだったり、亡くなった元カレだったり。。。誰が来ても淡々と受け入れるテンコ。

 

 

7話「さすらう」テンコの旅立ち

最終回の7話目は、ペンションが始まったころから母親と一緒に泊まりに来ていた娘ヤマメ(三浦透子)がスイカを抱えてやってきました。

一緒のお昼ご飯を作る事に。トウモロコシは焼いて食べる!と意見が一致。ヤマメの母親は茹でる派だったらしい。夜、ヤマメが持ってきてくれたスイカを食べながらテンコは切り出します。「ヤマメ、ここに住まない?やりたい事をここでやってみない?」テンコは「移動する」事を考え始めていました。

「動くか、動かないか それだけ」

翌日、ヤマメが帰っていく時にペンションの鍵を渡しました。いつでも好きに使っていいよ、と。

別の日、部屋中のカーテンを閉めて、小さなキャリー1つ持って出ていくテンコ。新しい場所へと向かいます。どこへ行くのかは決めていない感じがしました。

 

テンコが旅立った後のペンションメッツァのテーブルに座る森の人。。。やはり妖精。

ペンションメッツァ昔の男は死んでいるの?ロケ地とあらすじのまとめ

記事のタイトルが「え?」な感じではありますが、7つのエピソードの中では特に何とも言えない不思議な気分になった「むかしの男」じっくり見て頂けたらと思います。
この記事では

ドラマ「ペンションメッツァ」のロケ地
ドラマ「ペンションメッツァ」の概要
ドラマ「ペンションメッツァ」のネタバレあらすじと感想・「むかしの男」は死んでいるの?

以上についてまとめました。

また、同じく小林聡美さんが演じる作家「ハナ」と甥っ子のアキラ、友人のトキさんと娘、ネズミ退治のために飼われた猫のトムさんが織りなす家族としての暮らしや周りの人たちとのつながりや動物や自然とのかかわり方を通して自分の内面に向かって行く映画「山のトムさん」をご紹介します。

家事や育児、仕事で忙しい日々を送っている人、田舎暮らしにあこがれている人、または猫にネズミを捕らせたい人必見です!今回は特に「家」と「インテリア」に注目しました。

山のトムさんインテリアとロケ地”いなか暮らしと猫にネズミを捕らせる方法
小林聡美さん主演の映画「山のトムさん」は家族としての暮らし、周りの人たちとのつながりや動物や自然とのかかわり方を通して自分の内面に向かって行く、そんな映画です。家事や育児、仕事で忙しい日々を送っている人、田舎暮らしにあこがれている人、または...

最後までお付き合いくださってありがとうございました。〈Pinoko編集局〉

コメント