ロードオブザリング力の指輪 二つの木の時代と7つのパランティールと運命

ロードオブザリング

「映画ロードオブザリング」や「ロードオブザリング力の指輪」には、指輪をはじめ白の木二ムロス、パランティール、ナルシスの剣、ゴンドールの角笛、ムスリム、スティング(つらぬきまる丸)など。そのアイテムは誰によってどんな経緯で作られたのか気になって、調べてみました。
今回注目したのは白の木二ムロスパランティール。この二つについて、成り立ちなどを追って考察を深めてみたいと思います。



ロードオブザリング中つ国の白の木「ニムロス」

原作に興味のある方なら目にしているかもしれない「二つの木」というワード。

力の指輪第2話でも、エルフの鍛冶師の国「エレギオン」で、ケレブリンボール卿とエルロンドの会話の中で「フェアノールの鎚でヴァリノールの光を宿す宝石『シルマリル』が作られた」と言っているシーンがあります。

何を言っているんだ?と調べてみたら
最も手の技に優れたエルフのフェアノールがその鎚を使って、「至福の国、または不死の国アマン」にあるヴァリノールの国で輝いていた二つの木の光を封じ込めてつくった三つの宝玉が「シルマリル」
という事だったのです。

この「二つの木」というのは、創世に係わるとても重要な木であることがわかりました。
宇宙に太陽も月もなかった時代の後に「至福の国、または不死の国アマン」の地に二つの木が誕生しました。それはヴァラール神ニエンナの涙とヤヴァンナの力の歌から生まれました。
銀の木テルペリオンと金の木ラウレリンです。

ヤヴァンナの作ったすべてのものの中で、この二本の木は最も名高く、また上古の日の物語は、ことごとくこの二本の木の運命をめぐって織りなされているのである。

また、中つ国にもエルフが目覚めた時代です。この時代にはまだ人間は誕生していません。
この二つの木の時代から後に太陽の第一紀が始まり人間が誕生します。
時系列についてはこちらをご覧ください。

  1. ロードオブザリング「力の指輪 」時系列はどうなっているのか?

ヌーメノールの白の木は「至福の国、または不死の国アマン」の岸辺、エルダマール湾に浮かぶ「離れ島」のエルフによってヌーメノールに与えられたケレボルンの実が育ったものです。
ケレボルンの実は「銀の木テルペリオン」を模して作ったガラシリオンの木になった実です。

ヌーメノールの女王ミーリエルの父、タル=パランティルによってヌーメノールの運命と結び付けられている、と予言されていました。つまり、白の木二ムロスの力がヌーメノールを守っている、という事なのでしょう。

なので、サウロンはこの白の木を嫌がり、ミーリエルから王の座を奪い取り王になったファラゾーンに切り倒すよう執拗に促しました。結局木は切り倒され燃やされますが、イシルドゥアによって木の実は救い出されており、ヌーメノール滅亡の際、無事に中つ国に運ばれ、その後ゴンドールで育ちました。

「王の宮廷には、一本の白の木が生えていた。イシルドゥルが大海原のかなたより持ち来ったかの木の種から育ったものである。この木の種はその前にはエレッセアから来たのである。さらにその前はといえば、もともとは、この世界の太初の時代に先だって、さいはての西方世界より、もたらされたものである。

全ての物語はこの二つの木から始まっている、という事なのですね。

ロードオブザリング中つ国のパランティール

パランティールの成り立ち

「至福の国、または不死の国アマン」で最も優れたエルフ、フェアノールが造ったパランティール、別名「見る石」
第三紀を描いた「映画ロードオブザリング」では魔法使いサルマンの塔にありましたし、サルマンが倒されてからはホビットのピピンが見つけサウロンの目と繋がってしまい、大変なことになりました。

実はそのパランティールは7つもあったのです。

石の表面に映像を映し出し、思念を伝えることによってパランティーア同士は通信することができる。また、単独でも距離的、時間的に離れた事物を映し、精神集中することによりその焦点をある程度制御することができる。

いわゆる通信機器ですが音声の送受信はできず、思考のやり取りを行うものです。
でもそれだけではなく、予言する事もできます。ヌーメノールでは女王ミーリエルがパランティールによって、ヌーメノールが水没する映像を見せられています。
また、映画ロードオブザリングではピピンがゴンドールの白の木が燃えている映像を見せられていましたね。

その形は球形をしています。

パランティーアは球形で、稼動していない状態では黒い水晶の玉のように見える。大きさはさまざまで、小さい石(オルサンクやアノールの石など)は直径30センチほどだったが、オスギリアスやアモン・スールの石はさらに大きかった。パランティーアは通常の力では破壊不可能で、例えばオルサンクの塔から投げ落とされても、全く傷つかなかった。

元々の素材はどこの何という石なのかに関する記述は見つけられませんでした。
例えばシルマリルの宝玉ように二つの木の光を封じ込めた、とか。
そこまで知りたがるのは私ぐらいなのかもしれませんが…。

さて、この7つのパランティールはヴァラール神よりエレンディルの父親アマンディルがアンドゥーニエの領主を務める時代に「ヴァラール神に忠実な者達への慰め(褒美?)として贈られました。
そして、ヌーメノールが水没する際にエレンディルによって持ち出され中つ国へ運ばれたのです。

イシルドゥアとアナーリオンがゴンドールを建国するにあたり、アルノールに三つ、ゴンドールに四つの石がそれぞれ王国の要所に配置された。アルノール、ゴンドール両王国の支配者はパランティーアを連絡、監視のために使い、大きな利益を得たが、石は徐々に失われ、使用されることもなくなっていった。

7つのパランティールの運命

北方王国アルノールに渡った石
「アモン・スールの石」 北方の親石。アルノール国が分裂した後、この石を欲して2つの国で戦いが始まり持ち逃げした側の船が沈没して石は海に沈みました。

「アンヌミナスの石」 アモン・スールと同じように海に沈みました。

「エミン・べライドの石」 この石は他の石と繋がる事はなく、エレンディルは滅亡したヌーメノールを見る為に西の方向を向けて設置していました。後に、エルフのエルロンドが持ちました。

南方王国ゴンドールに渡った石

「オスギリアスの石」 南方の親石 ゴンドールの王位争いによってアンドゥイン大河に沈みました。

「イシルの石」 ゴンドールの塔「ミナス・イシル」に設置されていましたが、没落した際にサウロンに奪われました。しかし、その後はモルドールでは発見されなかった、とされています。

「アノールの石」  映画ロードオブザリングで登場するゴンドールの執政官デネソール(ボロミアとファラミアの父)パランティーアを使う際、サウロンの持つ「イシル」ともつながってしまいます。その事が精神に悪影響を及ぼしデネソールはアノールの石を持ったまま焼身自殺しました。それから後アノールの石にはデネソールの焼けた手しか映し出さなくなりました。

「オルサンクの石」 アイゼンガルドで魔法使いサルマンが使用、サウロンの持つ「イシルの石」と繋がり、サウロンに支配されてしまいました。サウロンが滅びた後はエレンディルの息子イシルドゥアの末裔であるアラゴルンが持ちました。

「映画ロードオブザリング王の帰還」において「オルサンクの石」が使われていた事は作品中には描かれていなかったように思いますが、原作では使われていたようです。

アラゴルンは預けられたオルサンクの石を使い、サウロンの焦りを誘うために、イシルの石に向けて、これまで隠してきた自身の存在を明らかにし、挑戦した。同時にオルサンクの石によって、ゴンドールが南からも襲撃されることを知り、北方の野伏と共に死者の道を通り救援に向かった。

アラゴルンたちが死者の軍団を引き連れてゴンドールを守ることができたのも「オルサンクの石」から得られた情報によるものだったのですね。

 

以上、中つ国の白の木二ムロスパランティールについての考察でした。

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