ソニーズ・スパイダーマン・ユニバースが2022年4月に公開した『モービウス』はマーベルコミックのキャラクター「モービウス」を元にしたスーパーヒーロー映画です。どんな内容になっているのでしょう?
面白い!それとも面白くない?評価が分かれる「モービアス」ですが、どんな点が面白くてどこが面白くないのか、あらすじとキャスト、感想をネタバレでご紹介します。
[作品情報]
原題:Morbius
製作国:アメリカ(2022年)
日本公開日:2022年4月1日
監督:ダニエル・エスピノーサ
現在配信先はAmazonprime(会員無料) / U-NEXT(レンタル配信)にて視聴できます。
モービウス 面白い?面白くない?ネタバレあらすじ
吸血コウモリ捕獲!?
始まりは奥深いジャングルへヘリが着陸し、降りてきたのは黒いローブ姿の細身の男、マイケル・モービウス。悪い足場を両手の杖で身体を支えながら歩く姿はちょっと異様な雰囲気です。目的は洞窟に生息する吸血こうもり。モービウスは自分の手にナイフで傷をつけ、血のにおいでコウモリをおびき寄せ捕獲します。 何の目的で???
シーンは変わって25年前。少年のマイケルは血液の難病を抱え、何年も入院生活を送っていました。隣のベッドに、同じ病気を持った少年ルーシェンがやってきます。そのベッドに来る子を「マイロ」と呼ぶことにしているマイケルはルーシェンをマイロと呼び、病気の辛さを分かち合いながら治療に耐えていました。
夢はいつか身体を治して普通の生活を送る事。
そして現在、天才的頭脳の持ち主マイケルは周りからは高い評価を受けますが、目標は自身の難病を治す方法を開発する事です。研究室の同僚、マルティーヌ・バンクロフトと共に、ジャングルで捕獲したコウモリを使って実験を繰り返し研究を重ね、ついに吸血コウモリから血清を作る事に成功しました。
難病は治った…が?
完成した血清のマウスでのテストが済み、マイケルはいよいよ自分に血清を打つ事になりました。血清はどんな効果があったのでしょうか!?
血清は予想以上の効果を生み出し、ガリガリだった身体は筋肉隆々、治療は成功したように見えましたが、変化は止まらずそれ以上にどんどんと恐ろしい姿になり吸血鬼のようなクリーチャーに変貌してしまいました。そこに居合わせた傭兵たちを皆殺しにするほどの力を持ちましたが、変貌が終わると記憶がなくなり、自分のした事の恐ろしさに驚愕します。
病気は治りましたが、必要ない力を得てしまう事に。しかも、体力を維持し変貌しない為には「血」を採り続けないといけない身体になったのです。
同じ病気を抱えていたマイロはマイケルの姿を見て病気が治ったと信じ込み、血清を打って欲しいと頼みますが、マイケルはマイロを自分と同じ身体にしてはならないと、断ります。
二人のクリーチャー
しかしマイロはマイケルに隠れて手に入れた血清を打ちます。かつては親友同士だったふたりが同じ能力を持つことになったのです。 マイロはコンプレックスの元となっている不自由だった身体がパワーでみなぎり好き勝手をし、力を「贈り物」として享受します。一方、マイケルはその力の制御を試みます。
マイロの凶行を押さえるべく戦うマイケルですが、マイロの力が強く劣勢に立たされます。その時、どこからともなく飛んできたのコウモリの群れがマイケルを守るように周りを飛び交い、マイロの攻撃を抑え込みます。そしてマイケルは解毒剤をマイロに打ち込むのでした。
モービウス 面白い?面白くない?キャスト紹介
モービウスの主要キャストと主な出演作品を紹介します。
マイケル・モービウス
ジャレッド・レト 生年月日1971年12月26日(50歳)
出演作品「スーサイド・スクワッド」「ハウス・オブ・グッチ」など
ルシアン ( マイロ )
マット・スミス 生年月日1982年10月28日(40歳)
出演作品 「ドクター・フー」「ザ・クラウン」「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」
マルティーヌ・バンクロフト
アドリア・アルホナ 生年月日1992年4月25日(30歳)
出演作品「エメラルドシティ」「キャシアン・アンドー」
エミール・ニコラス
ジャレッド・ハリス 生年月日1961年8月24日61歳
出演作品「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム」
最後のクレジットシーンでマイケル・キートンが登場
『スパイダーマン:ホームカミング』での武器商人エイドリアン・トゥームス / バルチャー
モービウス 面白い?面白くない?感想
面白い点 既視感なんのその
さあ、まず面白い点から!
一番に言いたいのは映像のクオリティが素晴らしい!!!冒頭のヘリのシーンはこれから起こる事を予感させるハラハラドキドキ感があったし、期待大!といった始まりでした。ヘリから降りてきたのが両手で杖を突いて歩く黒ずくめの長髪の男。ロケーションとの違和感が面白いですね。
ジャレッド・レトが演じたヴァンパイアの血に飢えたモービウスの風貌は迫力満点ですし、マット・スミスがヴァンパイア化した時の映像も見応えがありました。そして、スパイダーマンのように蜘蛛の糸がなくても飛べるのは便利!
また戦闘シーンでは高速移動が多かったのですが、移動の瞬間の映像も綺麗で「ジャンパー」を彷彿とさせました。
全体的な感想は、既視感あり。な脚本だと思います。蜘蛛かコウモリか? あるいは科学技術なのか、魔法なのか?の違いはあれど、スーパーヒーロー映画の基本のキ、みたいな印象です。
バイオレンスも軽めだし、ホラーでもない、で観る側によっては物足りなさを感じるかもしれません。
ヴァンパイア物のホラーであれば最近の作品では「ブラッド・レッド・スカイ」が凄かった!
「こんな吸血鬼は見たことない」という新感覚の映画で、ヴァンパイアの母の愛がエグいほど強烈に悲しく表現されていました。

それに比べると「モービウス」は安心して観ていられる映画です。
面白くない点?気になるクレジットのシーン
あえて面白くない点として挙げるなら・・・
最終的な戦いで同僚のマルティーヌがヴァンパイア化したマイロに拉致されて傷を負わされてしまうシーンがあるのですが、駆け付けたモービウスに「私の血を役立てて」と首筋を咬ませました。
そのまま死んでしまったのか?と思いきや、ラストで覚醒しましたよ、モービウスと同じ赤い目になって。
という事はつまり・・・?
戦いが終わった後、突然夜空に裂け目ができ、「スパイダーマン ホームカミング」に登場していたバルチャー(エイドリアン・トゥームス)がマルチバースな関係のあるマーベル・シネマティック・ユニバースから転送されてきます。そして、モービウスに共謀を働きかけるシーンが・・・!?
本作が終わって一息つきたかったのですが、クレジットシーンでこんな隠し玉を出されるとは…。
善人であるモービウスがスパイダーマンの世界の悪役バルチャーと共謀するってどういうことですか???
まだモービウスの世界にスパイダーマンは登場していないのに、悪役だけが先にやってきてしまっています。
モービウスの存在する「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」と「マーベル・シネマティック・ユニバース」の二つの「ユニバース構造」がますますこんがらがってしまって、理解できなくなるんじゃないかと、不安でいっぱいです。
「スパイダーマン ノーウェイホーム」や 「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」ですらもうマルチバースが溢れすぎて、どこから誰が来たのか、ここはどのマルチバースなのか訳わからない事になっています。
なので、個人的には「ユニバース構造」やめて欲しいな、なんて思ったりもしています。その作品だけをしっかりと楽しみたいですもの。
このクレジットを見ると、これは次回作どうなるのか気になるし心配でもあります。バルチャーに手を組もうと言われて「面白そうだ」と答えるモービウス。
モービウス、悪者になってしまうのか!?